なぜ証券会社の営業はしつこいのか。

資産運用の心構え
昔から、証券会社の営業のしつこさに悩まされる人はとても多いです。
 
今は深夜の電話などは禁止され、マシになっていますが、
二度、三度断ったものをしつこく押し売りしてくるスタイルは何年も変わっていません。
なぜそれほどまでにしつこいのか・・・
 
証券会社の内部事情から理由を明らかにしていきたいと思います。
 

経営にかかるコストが重い

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証券会社は前線に出ている担当者や部長、課長だけでなく、事務、コンプライアンス、システム等々の内勤者がとても多く、ほとんどが正社員の為、景気に関わらず雇い続けなければなりません。

また、大手証券の多くは大手町、丸の内あたりに本社がありますし、全国の支店も各市の中心街ど真ん中にあります。
それだけ地代負担も高く、移転して格が低く見られることを嫌うのでそう簡単に動かせません。
 
固定費が凄く高く、簡単に削れないのです。
 
その為、金融危機後の収益が低迷した時期は赤字になる会社も多かったですし、支店ごとで言えば単月の赤字なんてのはザラにあって毎月支店長が顔を真っ赤にして部下のケツを叩いているような状態です。
 
組織の大幅スリム化を図らない限り、ギリギリ状態の経営は変わらないでしょう。

売り込まなければならない商品がある

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証券会社の支店はお客様の意向に関わらず、必ず売り込まなければならない商品があります。

IPO、公募増資の株、新発社債などです。
これがある時には特にしつこく電話、訪問で勧誘をします。
 
こういった商品は、発行体から一旦証券会社が買い受けて(引受といいます)、それよりいくらか高い値段(株なら大体4%)で投資家に販売します。
 
もし、売れなかったら証券会社に在庫が残ったままになります。
 
そうするとその商品の価格が上がればいいですが、下がると証券会社自身が損することになります。
 
証券会社はあくまで仲介者であって、自身でリスクを取る業態ではないのでこれは非常に由々しき問題です。
 
なので、各支店に割り当てたノルマは他の商品以上に徹底して達成させます。
出来なかった支店の分は他の支店にカバーして貰うことになるのですが、当然支店長には大きなマイナス評価となりますし、として残る風土があります。

販売マシーンをつくる体質

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証券会社の担当者は人によって物凄く能力差があります。
 
どこの業界でも同じかも知れませんが、収益が落ちると途端に苦しくなる証券会社ではいくらできない人でも何とかして貰わねば回りません。
 
そこで、本部では誰にでもできる販売手法を指示します。
 
特定の商品(手数料が高い投資信託になることが多い)2つ、3つに絞って、セールストークを作り上げ、それを全担当者に覚え込ませます。
 
そして、その商品を競争させるように売り込ませます。
お客様にマッチするかどうかを無視してまでやらせることも多いです。
ですので、適切なコミュニケーションもオリジナルな提案もあったものではありません。
 
一部の有能な担当者がオリジナリティー溢れる提案をしても、上司からの指示に背いて勝手なことをしていると言われることも多いです。
 
今の時代信じられないですが、理屈は関係ないから売ってこいというような体質が残っています。
 
このような事情がありますので、話を聞いてくれない、ズレた提案ばかりしてくる、とにかくしつこい、というような人が沢山います。
 
もちろん、一般論として書いていますので、全ての担当者にあてはまることではないです。

証券会社の営業がしつこい理由まとめ

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  • 人件費、地代家賃、システム費用等々、とにかく経営コストが重い。無理してでも収益を上げないと組織を維持できない。
  • 売り込まなければ在庫になる商品がある。IPO、公募増資の株、新発社債などがその代表。これらの売り込みは特にしつこい
  • どの担当者も一様に同じ商品を同じセールストークで勧めてくる販売マシーン体質。決まった商品を売り込むことばかりで、話を聞いてくれない。本当に必要な提案はしてくれない(できない)。
残念ながら多くの証券会社にはこのような体質が根深く残っている可能性が高いです。
もちろん全てではないと思います。
 
しかしながら、自分を守るためにはこのようなことも念頭に置いた上で、付き合う担当者を見極めていくことが大事です。
 
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