潰れる会社・会社を破綻に陥れるオーナーの特徴

経営

いつの時代にも潰れる会社というのは規模の大小を問わず、必ず存在します。
特に中小企業、スタートアップなどのオーナー企業にその傾向は強いです。
うちの会社は大丈夫だろうか?」と悩んでいる人も少なくありません。

潰れる会社は、どんなに手を尽くしても本質的な問題を解決しない限り、必ずといっていいほど存続が難しくなります。

会社が潰れる原因は、オーナー社長の傲慢さ、幹部の離脱、などいくつかの特徴に分類されます。

私も以前、経営が破綻したオーナー企業において役員の立場で動乱を経て、ギリギリで再建に向かわせた苦い経験があります。
実体験を踏まえて、本当に潰れてしまう会社の特徴について解説します。

潰れる会社・会社を破綻に陥れるオーナーの特徴

周囲の忠告に耳を貸さないオーナー社長

オーナー社長は、ガンコで変わった人、ぶっとんだ人も多いので、ある程度は仕方がないです。
だからこそ人が避けるようなこともやって、会社が大きくなった面もあります。

但し、ブレインになる人物や会社の主要パーソンから3度、4度と忠告があった際には耳を傾けないと不味いです。
この段階では、取引先や取引金融機関などからも同じような助言が届いていると思います。
なぜなら、見かねた幹部がそういったところに根回しをしているからです。

異口同音に、同じことを言われて方針を見直せない社長は破綻に突き進む可能性大です。

反対を押し切ってでも進める勇気と意地になっての暴走は違います。
本人も周囲もその違いはわかっている筈ですが、心がバグると会社が飛びます。

現金流出が続いても方針を変えない

特にスタートアップ企業は、ある程度まで資金流出が続くことはよくあります。

但し、想定と大きく異なる資金流出の規模、期間となる場合には、方針を変えなくてはいけません。
当たり前ですが、会社の命を左右するのはキャッシュそのものです。

会計上の赤字がどれだけ続いてもそれだけでは潰れませんが、キャッシュがなくなれば即死します。

非常に簡単なことです。

無理を押してでもという局面、資金調達で乗り切る局面はありますが、出血が止まらなければ1,000億円あっても同じこと。すぐに破綻します。

すべきことではなく、やりたいことが最優先

やりたいことがあり、将来の大きな飛躍のために無理をしてでもということも沢山あるものです。

しかしながら、優先順位というものがあります。
明日がない企業には、1年後も10年後もありません。

2階、3階を建てることにばかり目が行って、いまこの瞬間の基礎づくり、ビジネスを軌道に乗せること、問題点を修正することに集中できない会社は潰れます。

よほどの余裕がなければ、いや余裕があったとしても、今すべきことに集中しなくてはなりません。
このくらいは、社長から末端社員まで簡単にわかっていることがほとんどです。

今すべきことに集中できないのは、オーナー社長が意地を張っているからに他なりません。

問題の先送り

目の前にある問題を先送りすることも爆弾を大きくしてしまいます。
何をおいても最優先でメスを入れていくべきです。

面倒だから問題を先送りする、他にやりたいことがあるからそれしかやらない、という会社は危険です。

問題があるとその部署や担当の幹部陣は当然腰が重くなります。

本来なら社長自ら、もしくは役員がそこにハッパをかけて、集中するようリードしなくてはいけません。

他責思考

会社を潰すオーナー社長は他人のせいにする、という特徴があります。

その部署の責任者のせいにする、取引先のせいにする、挙句の果ては運のせいにします。
とにかく何が起こっても自分は悪くないのに、「○○のせいでこうなった」という考え方です。

これの何がいけないかというと・・・幹部社員が辞めていく(入れ替えても再び同じ問題が起こる)、取引先から相手にされなくなる(サプライチェーンや顧客を失う)、そして何より、自社・自分の中に問題解決能力が育たず同じ問題に延々と悩まされ続けるからです。

サラリーマン社長ならそれでも回ります。
会社が仕組みで動いているので、ある程度自浄作用が機能しているため誰かが解決してくれたり、酷い場合には解任もできます。

しかし、オーナー会社の場合はダイレクトに跳ね返ってきます。
社長の器以上に会社は大きくならないという言葉もありますが、まさにその通りです。

数少ない幹部の個人技で生き残ってきた会社

中小企業はもちろんのこと、売上高数百億円規模の会社くらいまでは、エースの働きで結構どうにかなってしまうものです。

社長がダメでも優秀な社員がいなくても、1人、2人の幹部の力で動くものです。
但し、会社の心臓が止まる寸前まではなんとかなりますが、それにも限度はあります。

どこかの段階で、指導体制が機能し、多くの顔が見えない社員が仕組みで動くようにならなければ持続可能とはいえません。

また、エースはどこにいってもエースです。
どこからも声がかかっていますし、会社の状況を冷静に見ていますので、当然ながら見限って出ていくポイントがあります。

潰れる会社の前兆

キーパーソンの離脱

役員陣の退任、主要パーソンの退職はわかりやすいサインです。

会社の状況がよく見えている人ほど、自身の手を尽くしても助からない(労力の割に合わない)と思えば離脱していくのは当然です。

1人、2人ならまだしも、重要人物がぱらぱら抜けていく会社は末期が近いです。

金融機関から見限られる

銀行など金融機関は融資先企業に格付けを付して評価しています。

危ない会社は、正常先から遠いのはそうですが、要注意先くらいで留まっている必要があります。
破綻懸念先までいくと新規融資はまず受けられませんし、銀行は回収モードに入ってきます。
貸しはがしまでは契約上なかなかありませんが、追い貸しはまずありえません。

仮に多少お金があっても、ビジネスが回っておらず、返済原資に心配がある会社は早い段階で見限られたりもします。

銀行のせいにする経営者もいますが論外です。逆の立場ならどうでしょうか。
銀行は産業を育てるために身を削る機関ではありません。
カネを貸して金利で稼ぐ株式会社です。

赤字解消の目途がたたない

赤字解消の目途が立たないと金融機関をはじめ取引先からも信用がなくなります。

赤字が続くと(テクニカルな場合を除いて)キャッシュの流出が続きます。
そうなると、金融機関は回収原資がないのでお金は貸しません。

また、取引先も同様に、どこかで潰れてしまう懸念がある会社と取引するのは危険と考えます。

役員会の頻度・時間が急激に増える

末期に近づいて、火がついているから会議も多くなります。

今までと明らかに違う頻度や長さの会議が続く場合、よほどのことが討議されていると考えてほぼ間違いないです。

幹部陣とオーナー社長で分裂していることも少なくありません。

ここで、どういう方向にいくかで会社の運命も決まってきます。

幹部数名の顔色が同時に悪くなる

平時の会社は、担当部門によって良かったり、悪かったりするものですので、幹部が一様に暗い顔をしているということもないです。

それが、特に重要会議の後などで、皆一様に顔色が悪いと大ごとになっているとみていいでしょう。

オーナー社長の自己主張が一層強くなる

会社が窮地に立たされて、オーナー社長の放漫経営が白日の下にさらされると余計に意地になるものです。

会社が存続するために、オーナー自身の私財投入を求められたり、拘りを捨てて合理的な経営に切り替えるように意見されたりします。

そうなると更に意固地になって、我を押し通そうとして、不可解な指示が出たりといったことがあります。

揉めている証拠とも言えるでしょう。

窮地に陥っても会社が生き残るパターン

リストラを断行する

速やかに経営再建を行える会社であれば、生き残れる可能性も高くなります。

組織、人員のドラスティックなリストラを行って、贅肉をそぎ落とせば、黒字化も見えてきます。
リストラの余地がある会社は検討すべきです。

黒字化の兆しが見えれば、周りの態度も変わってきますので再建の芽が出てきます。

追加の出資を受ける

スポンサーによる追加出資を受けることができれば、当面の存続は見えるでしょう。

資本力のある会社、ファンドからの出資を受けられれば目先で潰れるということはありませんし、そこから経営陣も派遣されてくることが多いので、合理的な経営にも切り替わりやすいです。

但し、スポンサーも当然ビジネスとして資金拠出しますので、再建が見えることや投融資による旨味があることが必要です。

M&Aで会社を売却する

会社を売却して、資本力のあるオーナーに切り替われば、違った形で存続ができます。

上記の出資を受けるという意味合いにも近いですが、51%以上を保有する株主が変われば経営方針も全
く違ったものになります。

旧オーナーから株式を買い取る、もしくは出資により51%以上の株主になるなどで、会社の持ち主が変わることで存続していくケースも多いです。

まとめ

本当に潰れていく会社には特徴があるものです。
「うちの会社は特殊」と思っている人もいると思いますが、それでもやはりパターンがあるので注意深く見てもらいたいと思います。

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