アクティビストに狙われる会社の特徴と対策

金融業界

日本の上場企業でもアクティビストに入られるケースが増えています。

上場している以上は、どんな目立たない会社でも関係なく、「うちの会社は大丈夫だろう」とタカを括るのは危険です。

会社の規模に関係なく、アクティビストに入り込まれる隙を潰しておくことが大切です。

「うちの会社は大丈夫か?」、
「ターゲットにされないためにはどうしたらいいか?」、
「もし、入り込まれてしまったらどうしたらいいだろう。」

と心配している上場企業の担当者さんも少なくないでしょう。

この記事は、シンプルに対策をまとめ、メモとなる記事を意識しているので、隙をつくるポイントを潰してもらえればと思います。

また、アクティビストが入り込むというのは投資家にとっては逆にチャンスです。
保有銘柄にアクティビストが入ってくれたら、株価が吊り上がる、増配される好機です。
アクティビストが入り込みそうな会社を狙って投資するのも有効な戦略。
そうした視点での銘柄ピックに活用してもらえればと思います。

具体的にアクティビストはどんな組織があるか知りたい時は、下記記事を参照。
日本市場の主要アクティビストファンドと投資先企業一覧。
【アクティビスト有名世界的ファンド一覧】活動・運用の特徴

アクティビストに狙われる会社の特徴3選

アクティビストに狙われる会社は、コーポレートガバナンス上の問題を抱えているパターンがほとんどです。
企業のガバナンス強化を推奨するコーポレートガバナンスコード、投資家にそうしたガバナンスを評価させるスチュワードシップコードの両概念が打ち出されて以降、アクティビストにとっては非常に攻め入りやすい環境が出来上がっています。

ガバナンスが整っていない

上場企業としてのガバナンス構造が整っていない会社はアクティビストに狙われやすいです。
株主提案の材料として、提起するネタを提供しているようなものです。

  • 社外取締役の数(割合)が少ない
  • 環境・社会への貢献などサステナビリティへの対応ができていない
  • 情報開示が不十分

など、全て完璧にとはいかないまでもカバーできていない項目が多いほど、株主提案の隙を与えてしまいます。
コーポレートガバナンス・コードは下記東証のホームページに開示されているので、全項目細かくチェックできます。
東証 コーポレートガバナンスコード

現金が余っている

現金が余っている企業も狙われやすいです。

キャッシュリッチは見方によってはいいことなのですが、逆に言えばお金を使う機会をつくれていないということでもあります。
事業拡大、設備投資、M&Aなどのビジネスチャンスを創出できずにお金が余っているというのは株主としては望ましいことではありません。

お金が余っているとなると、株主がまず考えるのは、そのお金を配当に回して欲しいということです。
業績拡大によって株価を上げるか、配当で還元するか、どちらかにして欲しい・・・前者が実現できないなら後者をと考えるのは自然なことです。

アクティビストは、キャッシュがダブついている企業に容赦なく増配要求を突きつけますし、他の株主も賛同しやすいです。

また、キャッシュリッチ企業は、アクティビストだけでなく敵対的買収者にも狙われやすいです。
買収にお金がかかっても、買った後で現金が戻ってくるようなものですから、買収へのハードルを下げてしまいます。

政策保有株を多く保有している

政策保有株を多く保有しているのも狙われやすいポイントです。

持合い解消が進み始めて数年になりますが、取り組みが遅れている企業も未だ少なくありません。
株主としては、無駄な政策保有株を売却させて、現金に換えて欲しいと思います。
資産が換価されることのない永久保有株として死蔵されているようなものですからね。
資産の効率的な活用を考えると当然の要求と言えます。

これもアクティビストは攻撃材料にしやすいですし、一般株主も賛同しやすい点ですね。

アクティビストに狙われないためには、こうしたポイントを地道に潰していくことが大切です。

アクティビストはいつどんな経路で入ってくるか

株式市場での買い集め

アクティビストの存在に気付くのは、市場での買い集めを通じて、保有比率が5%を超えた時でしょう。

特定銘柄の保有比率が5%を超えると、大量保有報告書の提出が必要になります(いわゆる5%ルール)。
ある日アクティビストから大量保有報告書が出されていて、それで気付くというパターンが多いです。

株式市場で徐々に買い集めて、数ヶ月かけて上位株主に顔を出していくというケースが多いです。

5%超を握られてから気付いたのでは困るということで、株主判明調査を行って定期的にモニタリングしている企業も多いです。
少しでも早く気付いて、対策を検討するという意味では有効でしょう。

ただ、株式市場での買い集めは防ぎようがありません。
上場企業である以上、希望する株主だけでなく、招かれざる客の出現もつきものですから。

アクティビストにリストアップされないよう、隙を見せないことが最も大事です。

特定の株主からの相対取得

株式市場買い集めるほか、特定の大口株主から直接取得する方法もあります。

アクティビストが、特定の株主に依頼して売ってもらうこともあり得ます。
株主としては、普通は価格が折り合えば売りますね。
村上ファンドに売るのは可哀そうと思う優しい人もいるかも知れませんが、普通に考えて、保有を続けるよりも納得いく株価で買って貰ったほうがいいと判断されると簡単に売られてしまいます。

企業側としては株主に成長性を感じさせたり、IR活動を通じてコミュニケーションをとっておくことが大切です。

余談になりますが。特定の人から相対で取得する場合は立会外取引が使われます。
取引の詳細が知りたい方は下記記事をご参照ください。
立会外取引をわかりやすく解説。個人も法人もプロも皆使うトレード

アクティビストに入られた時の対応策

一度、アクティビストに入られてしまうと厄介です。
絶対に飲めない要求もあるでしょうが、ある程度柔軟に考えて早く出て行って貰うことを考えましょう。アクティビストも要求は手段であって、目的は株価を吊り上げたり、配当を獲得することですから、これが実現できれば利食って出ていきます。

アクティビスト以外の株主への働きかけ

アクティビストが、関係者の取締役選任を求めてきたりすると、受け入れることはできないでしょう。
多くの株主に株主提案に賛同されてしまわないよう、働きかけていくことが必要になります。

安定株主がいればいいでしょうが、出来るだけ多くの既存株主と定期的にコミュニケーションを取っておくことが必要です。
機関投資家であれば、株主提案への判断基準を把握しておくことが必要でしょう。
また、個人株主に対してもIRセミナーを開催するなどして、間接的にでも意思が届きやすいようメンテナンスしておくことが大切です。

会社としてアクティビストの提案への反対のプレスリリースを出したときに、理解を示してくれる株主をいかにつくっておけるかが鍵です。

要求によってはさっさと受け入れる

経営の根幹を揺さぶるものでなければ、要求を受け入れて早々に出て行って貰うことも一案です。
肉を切らせて骨を断つではありませんが、少しの犠牲に拘って長々と戦っているほうが時間も費用も損になる場合も少なくありません。

自社株買いや増配の要求であれば、程度によっては飲めるでしょう。
相手も手打ちのラインを決めているでしょうから、交渉で限度を設けること不可能ではないと思います。

増配に場合は、アクティビストが去ったあとに元に戻しにくいところは難点ですが、自社株買いは一時のキャッシュアウトで済むので比較的応じやすいでしょう。
また、この類の提案は他の株主に簡単に賛成されてしまうので防ぐのも難しかったりします。

いずれにせよ、長期間居座られないことを第一に柔軟に考えていくとよいでしょう。

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