日経アナリストランキング2020結果

金融業界
2020年3月1日発刊の日経ヴェリタスにて、2020年アナリストランキングが発表されました。
 
証券会社別ランキングは大和証券グループが2年連続首位となりました。
みずほ、野村、SMBC日興、三菱UFJMSと続くのは前年と同じですが、得点としては僅差であったものが大和が頭一つ抜け出た印象です。
 
業種別も上位陣の顔ぶれはあまり変化はありません。
 
参考記事>>>



証券会社別ランキング

証券会社別のランキングは以下の結果となりました。

各アナリストの獲得点数を合計、会社別に集計、ランキングされています。
 
括弧内は前年順位
1.大和証券グループ(1) 得点:15509 アナリスト数:44
2.みずほ証券(2) 得点:13412 アナリスト数:39
3.野村證券(3) 得点:13004 アナリスト数:36
4.SMBC日興証券(4) 得点:12241 アナリスト数:32
5.三菱UFJモルガン・スタンレー証券(5) 得点:8634 アナリスト数:31
6.JPモルガン証券(6) 得点:3725 アナリスト数:14
7.岡三証券(7) 得点:2555 アナリスト数:17
8.東海東京調査センター(10) 得点:2432 アナリスト数:19
9.シティグループ証券(9) 得点:2007 アナリスト数:11
10.UBS証券(8) 得点:1934 アナリスト数:13
 

日経ヴェリタスより引用

 
前年に続き大和証券が陣容の厚さを武器に首位をキープ。
 
個別セクター1位の数はみずほの9人に僅か1名届かず8人。
以下SMBC日興7人、野村6人と分け合っていますね。
 
上位層の移籍もあったためか、各社バランスしています。
得票アナリスト数が44人とみずほの39人、野村の36人を上回っており、前年と同じく面を広くとっています。
 
また、下記全セクターひっくるめたアナリスト総合ランキングです。
 
【アナリスト総合ランキング】
括弧内は前年順位
1.村木正雄(1) SMBC日興
2.渡辺英克(4) みずほ
3.山田幹也(2) みずほ
4.和田木哲哉(14) 野村
5.小場啓司(3) 三菱UFJMS
 
村木氏2年連続総合首位。ですが、所属が違います。
前年までのドイツ証券からSMBC日興証券へ移籍してますね。
最近では最も大物の移籍でしょう。
毎年のように常連組で占められています。
 
日経ヴェリタスより引用



業種別ランキング①:産業用電子機器~トイレタリ-・化粧品

各セクター別のトップ5を列挙していきます。

順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。
【産業用電子機器】
1.山崎雅也(1) 野村
2.田中健士(2) みずほ
3.安井健二(4) UBS
4.宮本武郎(5) 三菱UFJMS

 

5.吉積和孝(7) SMBC日興
 
山崎氏(51歳)は10年連続首位。一貫して野村に在籍。
 
【家電・AV機器】
1.中根康夫(1) みずほ
2.桂竜輔(2) SMBC日興
3.岡崎優(3) 野村
4.栄哲史(5) 大和
5.綾田純也(4) ドイツ
 
中根氏(52歳)は5年連続首位。以前は大和、ドイツ証券等に所属。
 
【電子部品】
1.佐渡拓実(1) 大和
2.後藤文秀(3) みずほ
3.秋月学(2) 野村
4.内野晃彦(4) 三菱UFJMS
5.渡辺洋治(5) SMBC日興
 
佐渡氏(51歳)は12年連続首位。一貫して大和所属。
 
【自動車】
1.箱守英治(1) 大和
2.桾本将隆(2) 野村
3.岸本章(3) JPモルガン
4.湯沢康太(4) ゴールドマンサックス
5.杉本浩一(6) 三菱UFJMS
 
箱守氏(45歳)は4年連続首位。一貫して大和所属。

 【自動車部品】

1.坂牧史郎(1) 大和
2.坂口大陸(3) みずほ
3.山岡久紘(4) 野村
4.岩井徹(5) 三菱UFJMS
5.小椋剛(6) SMBC日興
 
坂牧氏(43歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
 
【医薬品】
1.橋口和明(1) 大和
2.山口秀丸(3) シティグループ
3.田中洋(7) みずほ
4.中沢安弘(4) SMBC日興
5.甲谷宗也(6) 野村
 
橋口氏(41歳)が2年連続首位。以前はいちよし、日興に所属。
 
※前年の医薬品・ヘルスケアから医薬品にカテゴリー変更。

【医療機器・サービス】
1.渡辺英克(-) みずほ
2.葭原友子(-) 大和
3.甲谷宗也(-) 野村
4.小池幸弘(-) UBS
5.林良太郎(-) モルガンスタンレー
 
渡辺氏(53歳)が首位。以前は野村所属。
※今回から新設のカテゴリー。
 
【トイレタリー・化粧品】
1.佐藤和佳子(1) 三菱UFJMS
2.広住勝郎(2) 大和
3.宮迫光子(5) ジェフリーズ
4.角田律子(3) JPモルガン
5.山中志真(10) SMBC日興

佐藤氏が4年連続首位。以前は住友信託、みずほ所属。今回から三菱へ移籍ですね。

以上、日経ヴェリタスより引用

業種別ランキング②:化学・繊維~証券・保険・その他金融

つづけてセクター別のトップ5を第2章を列挙していきます。

順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。

【化学・繊維】
1.山田幹也(1) みずほ
2.池田篤(2) シティグループ
3.岡嵜茂樹(4) 野村
4.梅林秀光(3) 大和
5.宮本剛(6) UBS

山田氏(55歳)が2年連続首位。以前はゴールドマンサックス等に所属。

【ガラス・紙パ・その他素材】
1.佐藤有(2) SMBC日興
2.平川教嗣(1) 大和
3.松田洋(4) みずほ
4.河野孝臣(3) 野村
5.桑原明貴子(5) メリルリンチ

佐藤氏が前年2位から首位。以前はドイツ証券に所属。

【鉄鋼・非鉄】
1.山口敦(1) SMBC日興
2.松本裕司(2) 野村
3.尾崎慎一郎(3) 大和
4.黒坂慶樹(4) 三菱UFJMS
5.鈴木博行(5) みずほ

山口氏(54歳)が2年連続首位。以前は岡三証券、UBSに所属。

5位まで前年と全く同じ顔ぶれ。

【精密機械・半導体製造装置】
1.和田木哲哉(1) 野村
2.中名生正弘(4) ジェフリーズ
3.杉浦徹(5) 大和
4.芝野正紘(3) シティグループ
5.小宮知希(2) 三菱UFJMS

和田木氏(51歳)が4年連続首位。一貫して野村所属。

【機械、造船・プラント】
1.斎藤克史(1) 野村
2.田井宏介(2) 大和
3.佐野友彦(3) JPモルガン
4.宮城大和(9) みずほ
5.大平光行(4) 東海東京

斎藤氏(54歳)が4年連続首位。一貫して野村所属。

【食品】
1.高木直実(1) SMBC日興
2.佐治広(2) みずほ
3.守田誠(3) 大和
4.藤原悟史(4) 野村
5.角山智信(5) 三菱UFJMS

高木氏が2年連続首位。以前はJPモルガン、UBS等所属。
5位まで前年と全く同じ。

【銀行】
1.高宮健(2) 野村
2.松野真央樹(3) みずほ
3.高井晃(5) 大和
4.佐藤雅彦(7) SMBC日興
5.西原里江(8) JPモルガン

高宮氏(50歳)が前年2位から首位。以前は東京銀行、みずほ所属。</div>

【証券・保険・その他金融】
1.村木正雄(1) SMBC日興
2.辻野菜摘(2) 三菱UFJMS
3.渡辺和樹(3) 大和
4.原貴之(6) SMBC日興
5.丹羽孝一(5) シティグループ

村木氏(43歳)が13年連続首位。以前は大和、ドイツ所属。43歳にして13年連続首位。
今回よりドイツ証券からSMBC日興へ移籍。

以上、日経ヴェリタスより引用

業種別ランキング③:小売り~放送・広告

つづけてセクター別のトップ5を3章目列挙していきます。

順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。

【小売り】

1.小場啓司(1) 三菱UFJMS
2.高橋俊雄(2) みずほ
3.金森都(3) SMBC日興
4.津田和徳(4) 大和
5.川原潤(6) ドイツ

小場氏(52歳)が5年連続首位。一貫して三菱所属。

【商社】
1.森本晃(1) SMBC日興
2.成田康浩(2) 野村
3.永野雅幸(3) 三菱UFJMS
4.楠木秀憲(6) みずほ
5.宮崎高志(8) ゴールドマンサックス

森本氏(37歳)が3年連続首位。以前はモルガンスタンレー所属。

【建設】
1.寺岡秀明(2) 大和
2.前川健太郎(1) 野村
3.川島宏樹(3) SMBC日興
4.八木亮(5) 三菱UFJMS
5.栗原英明(4) 東海東京

寺岡氏(50歳)が前年2位から首位。一貫して大和所属。

【住宅・不動産】
1.田沢淳一(2) SMBC
2.橋本嘉寛(1) みずほ
3.福島大輔(4) 野村
4.姉川俊幸(3) 三菱UFJMS
5.増宮守(7) 大和

田沢氏が前年2位から首位。以前は三和銀行、バークレイズ、UBSに所属。

【電力・ガス・石油】
1.新家法昌(1) みずほ
2.西川周作(2) 大和
3.荻野零児(3) 三菱UFJMS
4.松本繁季(4) 野村
5.神近広二(6) SMBC日興

新家氏(42歳)が7年連続首位。一貫してみずほ所属。

【運輸・倉庫】
1.鈴木克彦(2) みずほ
2.姫野良太(4) JPモルガン
3.一柳創(3) 大和
4.広兼賢治(5) 野村
5.山崎慎一(7) 岡三

鈴木氏(44歳)が前年2年から首位。一貫してみずほ所属。

【通信】
1.安藤義夫(1) 大和
2.増野大作(3) 野村
3.菊池悟(2) SMBC日興
4.田中秀明(4) 三菱UFJMS
5.高橋圭(5) UBS

安藤氏(57歳)が3年連続首位。以前は野村、ゴールドマン所属。

【放送・広告】
1.岩佐慎介(1) みずほ
2.石原太郎(3) 大和
3.長尾佳尚(2) 野村
4.前田栄二(4) SMBC日興
5.村上宏俊(5) 三菱UFJMS

岩佐氏(46歳)が8年連続首位。以前は野村所属。

以上、日経ヴェリタスより引用

業種別ランキング④:インターネット・ゲーム~クオンツ

つづけてセクター別のトップ5を4章目列挙していきます。

順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。

【インターネット・ゲーム】
1.小山武史(1) みずほ
2.森はるか(2) JPモルガン
3.森田正司(3) 岡三
4.山村淳子(8) 野村
5.鈴木隆生(6) 大和

小山氏(49歳)が6年連続首位。以前はドイツ証券所属。

【ビジネスソリューション】
1.田中誓(1) 野村
2.菊池悟(2) SMBC日興
3.上野真(3) 大和
4.田中秀明(4) 三菱UFJMS
5.堀雄介(5) みずほ

田中氏(39歳)が4年連続首位。一貫して野村所属。

【レジャー・アミューズメント】
1.山村淳子(1) 野村
2.織田浩史(6) SMBC日興
3.村上宏俊(2) 三菱UFJMS
4.森田正司(3) 岡三
5.石原太郎(5) 大和

山村氏が3年連続首位。一貫して野村所属。

【中・小型株】
1.古島次郎(1) 大和
2.長谷川義人(4) 三菱UFJMS
3.三浦勇介(5) 大和
4.渡辺英克(2) みずほ
5.新井勝巳(3) 野村

古島氏(52歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。

【REIT】
1.鳥井裕史(1) SMBC日興
2.大村恒平(3) 大和
3.荒木智浩(2) 野村
4.大畠陽介(4) みずほ
5.石井翔大(5) 三菱UFJMS

鳥井氏(41歳)が5年連続首位。以前は大和所属。

【ストラテジスト】
1.菊地正俊(1) みずほ
2.圷正嗣(4) SMBC日興
3.阪上亮太(2) JPモルガン
4.宮島秀直(3) パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ
5.李智雄(10) 野村

菊地氏(57歳)が4年連続首位。以前は大和、メリルリンチ所属。

【テクニカル分析】
1.木野内栄治(2) 大和
2.吉野豊(1) SMBC日興
3.宮田直彦(3) 三菱UFJMS
4.三浦豊(4) みずほ
5.鈴木誠一(5) 東海東京

木野内氏(55歳)が前年2位から首位。一貫して大和所属。

【クオンツ】
1.永吉勇人(1) みずほ
2.伊藤桂一(2) SMBC日興
3.村上昭博(4) 野村
4.古川真(3) 三菱UFJMS
5.鈴木政博(6) 大和

永吉氏(46歳)が3年連続首位。以前は大和、メリルリンチに所属。

以上、日経ヴェリタスより引用

アナリストランキング総評

前年と比較できる(カテゴリーが同じ)31部門中25部門で首位継続となりました。
昨年もあまり首位交代はありませんでしたが、21部門で首位が動いていません。

今回はさらに固まった印象ですね。

ベテランが固まっている点に加えて、数年前に首位を奪った中堅どころ世代も定位置が決まってきている感じです。

今回は総合ランキング1位の村木氏の移籍が目立ちました。

報道でも取り上げられていますが、ドイツ証券は株式調査部門を閉鎖する動きのようですね。

村木氏の他にもベテランアナリストを抱えていましたが、結構名前が消えています。

ドイツ証券は数年前から日本株部隊を縮小したのですが、これで事実上最終クローズでしょうか。

外資系は辞めるとなればバッサリ撤退します。

こういった動きがある時は引き抜きの動きが起こりやすいのですが、村木氏の他も移籍することになるのでしょうか。

日系の席が埋まっている感もあり、このまま引退となるかも知れませんし、リプレースの可能性もありそうですね。

席数に限りがある中で人の動きの早い業界ですから、何があっても不思議ではありません。

少々話しが逸れましたが、次回以降のランキングも個別アナリストベースでは大きな変化はなさそうですね。

移籍により、会社別ポイントが移動する可能性はありそうですが。

 

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