金融業界ではヘッドハンティングが活発に行われています。
私自身も駆け出しの頃は、「そんなドラマみたいな話がホントにあるのか?」と思っていましたが、そういった話をしてくれた上司もヘッドハンティングを通じて入った人でしたし、机を並べている先輩達もそういった人材が沢山いました。
駆け出しの頃は、「どうしたらヘッドハンティングなんてされるのか?」と考えていましたし、プロとしてそれだけの価値ある人材になりたい、ブイブイ言わせてガツガツ稼ぎたいという野心?下心?もありました。
その約2年後には、実際にヘッドハンターから声がかかり、今では数人の相性のいいヘッドハンターと付き合っています。
この記事が、昔の自分と同じような活きのいい若者はもちろん、ヘッドハンティングの実態が気になる方々の参考になればと思います。
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目次
ヘッドハンティングされる流れ
会社に電話が架かってくる
初めてヘッドハンティングの電話が架かってきた時のことは今でもはっきり覚えています。
会社の自席電話を取ると、ヘッドハンターが社名と名前を名乗り、「あなたを求めている会社があるので話だけでも聞いて欲しい。」と言われました。
一瞬「ん。」と思いましたが、「ついに俺にも来たか(笑)」という気持ちにもなりました。
そして、直接話がしたいということで、後日の面談を約束しました。
会社の電話ですが、一人一人にダイレクトの電話番号が割り振られています。
不在の場合は、アシスタントが出ることが多いですが、本人でなければ適当に切って架け直すのでしょうか。
このパターンで、数人のヘッドハンターと知り合いました。
近年はLinked inからの接触も多い
Linked in が一般的になってからは、こちらでメッセージを貰うことも多いです。
アテにならない感じの人はスルーしますが、きちんとしたヘッドハンター若しくはそのアシスタントからメッセージが来ることが度々あります。
電話が架かってくるよりもメールのほうがハードルが下がるのか、数としては全然多いです。
直接ヘッドハンターから聞いた話だと
・候補者の名前を聞いたら、まずLinked in で検索してコンタクトする
・候補者の名前を知らない場合、Linked in 内でターゲットをサーチする
という両方のパターンがあるようです。
私もどちらのパターンからも接触機会がありました。
まだの人は、Linked in はとりあえず登録はしたほうがいいです。
私もたまにしか見ませんが、ちょこちょこメッセージが来ています。
クライアントや同僚伝いでの接触
クライアントや同僚伝いでヘッドハンターと接触することも非常に多いです。
クライアントから、「懇意のヘッドハンターがいい人を探しているが連絡先を教えていいか」と聞かれOKしたこともあります。
これは結構丁寧なパターン。本人の承諾なしに連絡先を教えられていることも多いです。
ヘッドハンターは誰から名前聞いたとは言いませんから。
ヘッドハンターは、当然即戦力を探しますので、顧客から評価されている人を捕まえるのが確実です。
ということで、あなたの顧客にも「いい人いない?」と聞いている可能性も低くありませんよ。
また、同僚伝いで名前が挙がるパターンもあります。
直接同僚に繋いで貰ったことはありませんが、後でヘッドハンターから何故自分を知ったかを聞くと社内でという答えが返ってきたこともあります。
私自身もヘッドハンターから「社内でいい人教えて欲しい」と聞かれ、名前を教えたこともあります。
その後、Linked in で検索して、アプローチしたのではないかと思います。
社内で「あいつは仕事が出来る」と思ってくれている人も多いに越したことはないですね。
ヘッドハンターとの面談
ホテルのラウンジやナイトカフェ
ヘッドハンターとの面談場所はケースバイケースですが、ホテルのラウンジや軽くお酒が飲めるナイトカフェなどで話すことが多いです。
彼らも外出が多いためか、小規模でやっているためかヘッドハンティング会社のオフィスというパターンはあまりないです。
都内の一流シティホテルのラウンジ、隠れ家的なカフェなどで落ち合います。
コーヒー、時間によっては軽く飲みながら話します。
雰囲気は基本的に和やかです。
ヘッドハンターというと俗世離れした奇抜な人を思い浮かべるかも知れませんが、身なりは普通の人です。
ランチスタイルもある
これも時間によりけりですが、お昼時に会うケースだとランチを取りながらということもあります。
これも初対面の場合は、少し落ち着いた場所を指定されることが多いですね。
ホテル併設のレストランなどが多く、大体何か所かを根城にしてるんだろうなという感じがします。
ヘッドハンターに会う=内定ではない
ここが勘違いされているように思いますが、ヘッドハンターに会う=内定が出ているということではありません。
ヘッドハンターは、顧客である企業から欲しい人材像を聞き、それに見合う候補者を探します。
その人材が一般に多くいるようなポジションではなく、ハイクラスであるためにヘッドハンターがサーチするわけです。
ヘッドハンターから声がかかると、そのポジションで活躍が見込める人という評価がされている可能性は非常に高いですが、即内定というわけではありません。
想定しているポジションはその場で言ってくれます。
私も初めて声がかかった時は、米系の著名ファームで当時の年収の3倍くらいの提示に驚いたのを覚えています。
ただ、ヘッドハンターから声が掛かっている時点で一般応募ではないので、書類選考等の通常の採用プロセスのようなものはありません。
採用プロセスという観点では、予選なしでいきなり決勝ラウンドからスタートのようなイメージです。
ヘッドハンターとの面談後に企業と会う
ヘッドハンターとの面談後に、推薦を受けて企業側と会うことになります。
初めから、決定権を持つコアな人と面談するケースが多いです。
企業側のオフィスに出向くことが多いですが、相手によってはランチしながら話すこともあります。
特に外資系の場合、その時によって変わる印象がありますが一人とじっくり話して後日、他の人と会う場合もあれば、その日に代わる代わる5-6人と会うこともあります。
この辺りは組織によって様々ですが、ボスが採用と言えば決定の場合もありますし、
チーム全員と会って一人でも気に入らなければダメという場合もあります。
いずれにせよ、ヘッドハンターからの推薦により手っ取り早くコアパーソンと話せます。
もちろん候補者側からしても相手を見定める場ですし、入社意欲がなくてもコミュニケーションしてみると業界をよく知れていいと思います。
金融マンがヘッドハンティングされる条件
ホールセール主要部署で活躍していることが前提
ヘッドハンティングの対象となる仕事に就いていることが大前提です。
ハイクラスであり、わざわざ探さなければ見つからない人材、高給がのぞまれる人材でなければ(ヘッドハンターが顧客企業からの貰う報酬は年収の一定割合(30-40%程度))対象になりません。
ヘッドハンティングの主戦場である証券会社でいえば、ホールセール部署でなければまず対象になりません。
投資銀行バンカー、アナリスト、トレーダー、株式・債券セールス、などが主な対象です。
こうしたホールセールの主要部署で活躍していることが、まず前提になります。
相応の能力や実績があること
基本的には即戦力が望まれる以上、能力、実績を有していることが必要です。
若手の場合でも、全く同じポジションの場合はその時点で一定の実績があることが望まれますし、隣接する未経験ポジションの場合でも早期戦力化が見えることが必要です。
重要クライアントとの接触機会があること
絶対条件ではないですが、その業界での重要クライアントを担当をしていると声が掛かりやすい面はあります。
採用側の企業の立場からすると、競合他社で重要クライアントから評価されている人は魅力的です。
全く同じポジションであれば、その人を引き抜けば顧客が手に入るに近いことです。
また、ヘッドハンターは顧客サイドへ頻繁にヒアリングしています。
当然、競合の激しい重要先であるほど、人材獲得のヒアリングも多いです。
社内でもエース級の人材ほど重要クライアントを担当させるでしょうから、その意味でも分かりやすい指標です。
偽物のヘッドハンティング
ヘッドハンティングのフリして情報収集
ヘッドハンターは業界に詳しいです。
競合他社にも幅広く人脈を持っています。
競合他社が、あなたの所属する会社の情報を抜きたい時にヘッドハンターを利用するケースもあります。さすがに直接ライバルの状況を聞いても教えてくれないですから、ヘッドハンターにスカウトのフリをして聞かせるのです。
私自身は、それっぽいことはなかったので分かりませんが、スパイ的な動きの場合は、どうも質問内容がおかしいみたいですね。
まあ、あなたが口外したと分かる情報が出回らなければ、誰が言ったか特定されることもないでしょうから騙されたとしてもそれほど痛手ではないかもしれません。
怪しいビジネスは聞いたことがないが
少なくとも私の周りでは聞いたことがないですが、ネットで検索していると怪しいビジネス目的の場合もあるようですね。
スキルアップに向けた高額商材を売りつけるとかそんなところでしょうか。
基本的にヘッドハンターは、採用企業側から報酬を受け取るので候補者にお金がかかることはありません。
私も何度もご飯を奢って貰っているヘッドハンターがいますが一度もお金がかかる話はされたことがありません。
ヘッドハンターのビジネス上、あなたが接待されることはあっても、逆にお金を使わされることはありません。
お金がかかるような話があれば、怪しんだほうがいいかも知れませんね。
ヘッドハンティングされる対象になっていない場合
自ら有力人材ファームへコンタクト
ヘッドハンティングされる対象になるまでは楽ではありません。
そもそも、そういったポジション自体が一握りの人の世界です。
まずは、社内異動、転職などでそういった仕事を獲得してください。
それができれば苦労しないと言われそうですが、これも究極は努力した人とそうでない人、いやそれ以前に行動した人とそうでない人の差です。
仮に今は仕事ができなくても社内で異動希望を言ってください、同時に転職のチャンスを探してください。
もちろん、今の仕事で実績を残す取り組みを並行しながら。
転職については、一般的な人材会社ではハイクラスは望みにくいです。
かといってヘッドハンティングファームから声もかからない状況。
それでもチャンスがあります。
自分から登録できる人材会社では、JACリクルートメントがおすすめです。
私自身もかなり後になってからですが、Linked in でメッセージを貰って気軽に登録しました。
ヘッドハンター案件と遜色ないポジションもありましたし、すぐに転職を考えていない場合でも専任担当者と情報交換することは大変有益です。
小さな行動ですが、登録、面談することが、ハイクラス人材への一歩につながる可能性は大いにあります。もちろん候補者側は無料ですし、マイナスはありません。
時間は有限。野心のある人は、すぐに行動することをおすすめします。
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