2022年2月27日発刊の日経ヴェリタスにて、2022年アナリストランキングが発表されました。
証券会社別ランキングは、大和証券が4年連続首位となりました。
続く上位勢は、SMBC日興、みずほ、野村、三菱UFJモルガン・スタンレーと日経大手証券が5位までを占めています。
得点差を見ると、大和が15,000ポイント越えで2位SMBC日興の11,600ポイントに大きく差をつけています。3年前までは群雄割拠であったものの、現在は大和のみが力を入れているような状況に変わってきました。
以下、全体、業種別ランキング詳細を紹介します。
参考記事>>>
「日経アナリストランキング2018結果」
「日経アナリストランキング2019結果」
「日経アナリストランキング2020結果」
「日経アナリストランキング2021結果」
「日経アナリストランキング2023結果」
「日経アナリストランキング2024結果」
「アナリストランキングの仕組みと裏側。ランキングは信用できるのか?」
「アナリストはいらない?証券アナリストは消える運命か」
目次
- 1 証券会社別ランキング
- 2 アナリスト総合ランキング
- 3 業種別ランキング
- 3.1 産業用電子機器
- 3.2 家電・AV機器
- 3.3 電子部品
- 3.4 自動車
- 3.5 自動車部品
- 3.6 医薬品
- 3.7 医療機器・サービス
- 3.8 トイレタリー・化粧品
- 3.9 化学・繊維
- 3.10 ガラス・紙パ・その他素材
- 3.11 鉄鋼・非鉄
- 3.12 精密機械・半導体製造装置
- 3.13 機械、造船・プラント
- 3.14 食品
- 3.15 銀行
- 3.16 証券・保険・その他金融
- 3.17 小売り
- 3.18 商社
- 3.19 建設
- 3.20 住宅・不動産
- 3.21 電力・ガス・石油
- 3.22 運輸・倉庫
- 3.23 通信
- 3.24 放送・広告
- 3.25 インターネット・ゲーム
- 3.26 ビジネスソリューション
- 3.27 レジャ―・アミューズメント
- 3.28 中・小型株
- 3.29 REIT
- 3.30 ストラテジスト
- 3.31 テクニカル分析
- 3.32 クオンツ
- 4 アナリストランキング総評
証券会社別ランキング
証券会社別のランキングは以下の結果となりました。
こちらは各アナリストの獲得点数を会社別に合計し、順位付けされています。
証券会社別ランキング(括弧内は前年順位)
- 大和証券(1) 得点:15572 アナリスト数:48
- SMBC日興証券(3) 得点:11603 アナリスト数:35
- みずほ証券(2) 得点:10126 アナリスト数:38
- 野村証券(4) 得点:7112 アナリスト数:32
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(5) 得点:5865 アナリスト数:27
- JPモルガン証券(6) 得点:2928 アナリスト数:19
- 東海東京調査センター(7) 得点:2316 アナリスト数:19
- 岡三証券(9) 得点:2167 アナリスト数:16
- SBI証券(11) 得点:1739 アナリスト数:15
- ゴールドマンサックス証券(8) 得点:1563 アナリスト数:13
- UBS証券(10) 得点:1548 アナリスト数:14
- シティグループ証券(12) 得点:1338 アナリスト数:10
- いちよし証券(13) 得点:951 アナリスト数:14
- モルガン・スタンレーMUFG証券(14) 得点:725 アナリスト数:14
- クレディ・スイス証券(15) 得点:640 アナリスト数:10
- ジェフリーズ証券(16) 得点:546 アナリスト数:4
- パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ(18) 得点:325 アナリスト数:1
- BofA証券(17) 得点:279 アナリスト数:9
- マッコーリー・キャピタル証券(20) 得点:62 アナリスト数:1
- スフィンクス・インベストメント・リサーチ(21) 得点:32 アナリスト数:1
各セクターと市場関連部門を合計したランキング
日経ヴェリタスより引用
大和証券のアナリスト数は48人と前年の45人よりも更に拡充されています。
他の大手証券よりも10人以上も多く、戦略的に拡大している姿が一層鮮明になっています。
また、セクター別で首位を獲得したアナリストも13人と前年の12人を上回っています。
他の日系大手は、ほぼ前年並みといったところです。
アナリスト総合ランキング
全セクターを横断したアナリスト総合ランキングです。
セクターを超えて投票されます。
アナリスト総合ランキング(括弧内は前年順位)
- 村木正雄(1) SMBC日興
- 佐渡拓実(5) 大和証券
- 山田幹也(4) みずほ証券
- 和田木哲哉(3) 野村証券
- 中根康夫(2) みずほ証券
企業アナリスト総合ランキング1~5位
日経ヴェリタスより引用
村木氏は4年連続1位を獲得しています。
外資系時代を合わせると数え切れない回数1位になっています。
2位~5位はこの中で順位こそ変われど前年と全く同じ顔ぶれです。
業種別ランキング
各セクター別のランキング。トップ5を列挙していきます。
順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。
産業用電子機器
山崎氏(53歳)は12年連続首位。一貫して野村所属。
- 山崎雅也(1) 野村
- 田中健士(2) みずほ
- 安井健二(3) UBS
- 大川淳士(6) 大和
- 吉積和孝(4) SMBC日興
家電・AV機器
中根氏(54歳)は7年連続首位。以前は大和、ドイツ証券等に所属。
- 中根康夫(1) みずほ
- 桂竜輔(2) SMBC日興
- 岡崎優(3) 野村
- 栄哲史(5) 大和
- 綾田純也(4) JPモルガン
電子部品
佐渡氏(53歳)は14年連続首位。一貫して大和所属。
- 佐渡拓実(1) 大和
- 後藤文秀(2) みずほ
- 秋月学(3) 野村
- 内野晃彦(4) 三菱UFJMS
- 平田真悟(8) UBS
自動車
箱守氏(47歳)は6年連続首位。一貫して大和所属。
- 箱守栄治(1) 大和
- 桾本将隆(2) 野村
- 岸本章(3) JPモルガン
- 木下寿英(6) SMBC日興
- 遠藤功治(5) SBI
自動車部品
坂牧氏(45歳)が4年連続首位。一貫して大和所属。
- 坂牧史郎(1) 大和
- 坂口大陸(2) みずほ
- 岩井徹(3) 三菱UFJMS
- 牧一統(13) SMBC日興
- 岸本章(4) JPモルガン
医薬品
橋口氏(43歳)が4年連続首位。以前はいちよし、日興に所属。
- 橋口和明(1) 大和
- 都築伸弥(4) みずほ
- 田中洋(3) みずほ
- 山口秀丸(2) シティグループ
- 田中智大(6) SMBC日興
医療機器・サービス
葭原氏が2年連続首位。
- 葭原友子(1) 大和
- 甲谷宗也(2) 野村
- 小池幸弘(3) UBS
- 森貴宏(4) みずほ
- 徳本進之介(11) SMBC日興
トイレタリー・化粧品
佐藤氏が6年連続首位。以前は住友信託を経て、みずほ所属。
- 佐藤和佳子(1) 三菱UFJMS
- 広住勝朗(2) 大和
- 佐藤有(4) SMBC日興
- 宮迫光子(3) ジェフリーズ
- 大花裕司(5) 岡三
化学・繊維
山田氏(57歳)が4年連続首位。以前はゴールドマン・サックス等に所属。
- 山田幹也(1) みずほ
- 梅林秀光(2) 大和
- 宮本剛(5) SMBC日興
- 岡嵜茂樹(3) 野村
- 池田篤(4) ゴールドマン・サックス
ガラス・紙パ・その他素材
佐藤氏が3年連続首位。以前はドイツ証券に所属。
- 佐藤有(1) SMBC日興
- 平川教嗣(2) 大和
- 河野孝臣(3) 野村
- 松田洋(4) みずほ
- 根本隼(7) 三菱UFJMS
鉄鋼・非鉄
山口氏(56歳)が4年連続首位。以前は岡三、SMBC日興に所属。
- 山口敦(1) SMBC日興
- 松本裕司(2) 野村
- 尾崎慎一郎(3) 大和
- 鈴木博行(4) みずほ
- 松田洋(7) みずほ
精密機械・半導体製造装置
和田木氏(53歳)が6年連続首位。東京エレクトロンを経て野村所属。
- 和田木哲哉(1) 野村
- 杉浦徹(4) 大和
- 山本義継(2) みずほ
- 中名生正弘(3) ジェフリーズ
- 芝野正鉱(5) シティグループ
機械、造船・プラント
田井氏(50歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
- 田井宏介(1) 大和
- 斎藤克史(2) 野村
- 宮城大和(4) みずほ
- 佐野友彦(3) JPモルガン
- 佐々木翼(6) 三菱UFJMS
食品
守田氏(44歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
- 守田誠(1) 大和
- 高木直実(6) SMBC日興
- 佐治広(3) みずほ
- 藤原悟史(2) 野村
- 角山智信(5) 三菱UFJMS
銀行
高宮氏(52歳)が前年2位から首位。以前は東京銀行、野村AM、みずほなどを経て野村所属。
- 高宮健(2) 野村
- 松野真央樹(1) みずほ
- 佐藤雅彦(4) SMBC日興
- 高井晃(3) 大和
- 矢野貴裕(6) 大和
証券・保険・その他金融
村木氏(45歳)が15年連続首位。以前は大和、ドイツ所属。45歳にして15年連続首位。
総合ランキングもトップ
- 村木正雄(1) SMBC日興
- 辻野菜摘(2) 三菱UFJMS
- 渡辺和樹(3) 大和
- 原貴之(5) SMBC日興
- 佐藤耕喜(6) みずほ
小売り
高橋氏(50歳)が前年2位から首位。以前は国際証券に所属。
- 高橋俊雄(2) みずほ
- 小場啓司(1) 三菱UFJMS
- 金森都(3) SMBC日興
- 風早隆弘(4) クレディ・スイス
- 川原潤(5) 大和
商社
森本氏(39歳)が5年連続首位。以前はモルガン・スタンレー所属。
- 森本晃(1) SMBC日興
- 永野雅幸(2) 大和
- 成田康浩(3) 野村
- 根本隼(-) 三菱UFJMS
- 栗原英明(6) 東海東京
建設
寺岡氏(52歳)が3年連続首位。一貫して大和所属。
- 寺岡秀明(1) 大和
- 前川健太郎(2) 野村
- 川嶋宏樹(3) SMBC日興
- 八木亮(4) 三菱UFJMS
- 中川義裕(7) みずほ
住宅・不動産
田沢氏(44歳)が3年連続首位。以前は三和銀行、バークレイズ、UBSに所属。
- 田沢淳一(1) SMBC日興
- 橋本嘉寛(2) みずほ
- 姉川俊幸(4) 三菱UFJMS
- 増宮守(5) 大和
- 福島大輔(3) 野村
電力・ガス・石油
西川氏(36歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
- 西川周作(1) 大和
- 新家法昌(2) みずほ
- 荻野零児(3) 三菱UFJMS
- 松本繫季(4) 野村
- 神近広二(5) SMBC日興
運輸・倉庫
鈴木氏(46歳)が3年連続首位。一貫してみずほ所属。
- 鈴木克彦(1) みずほ
- 姫野良太(2) JPモルガン
- 一柳創(3) 大和
- 土谷康仁(5) 三菱UFJMS
- 広兼賢治(4) 野村
通信
菊池氏(52歳)が2年連続首位。以前は野村、ドイツ所属。
- 菊池悟(1) SMBC日興
- 安藤義夫(2) 大和
- 増野大作(3) 野村
- 田中秀明(4) 三菱UFJMS
- 奥村裕介(9) 岡三
放送・広告
石原氏(48歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
- 石原太郎(1) 大和
- 前田栄二(3) SMBC日興
- 岸本晃和(5) みずほ
- 森はるか(4) JPモルガン
- 宝水裕圭里(6) 東海東京
インターネット・ゲーム
小山氏(51歳)が8年連続首位。以前はドイツ所属。
- 小山武史(1) みずほ
- 森はるか(2) JPモルガン
- 森田正司(4) 岡三
- 鈴木崇生(6) 大和
- 前田栄二(5) SMBC日興
ビジネスソリューション
上野氏(56歳)が2年連続首位。一貫して大和所属。
- 上野真(1) 大和
- 田中誓(4) ゴールドマン・サックス
- 菊池悟(2) SMBC日興
- 堀雄介(5) みずほ
- 田中秀明(3) 三菱UFJMS
レジャ―・アミューズメント
関根氏(34歳)が前年4位から首位。一貫して大和所属。
- 関根哲(4) 大和
- 織田浩史(2) SMBC日興
- 森田正司(3) 岡三
- 石原太郎(5) 大和
- 小山武史(5) みずほ
中・小型株
長谷川氏(56歳)が2年連続首位。以前は三洋所属。
- 長谷川義人(1) 三菱UFJMS
- 三浦勇介(3) 大和
- 古島次郎(2) 大和
- 氏原義裕(8) SBI
- 新井勝巳(4) 三菱UFJMS
REIT
鳥井氏(43歳)7年連続首位。以前は大和所属。
- 鳥井裕史(1) SMBC日興
- 大畠陽介(3) みずほ
- 大村恒平(2) 野村
- 秋山巧(-) 大和
- 石井翔大(5) 三菱UFJMS
ストラテジスト
圷氏(41歳)が2年連続首位。一貫してSMBC日興所属。
- 圷正嗣(1) SMBC日興
- 菊地正俊(3) みずほ
- 阪上亮太(2) JPモルガン
- 宮島秀直(4) パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ
- 阿部健児(6) 大和
テクニカル分析
木野内氏(57歳)が3年連続首位。一貫して大和所属。
- 木野内栄治(1) 大和
- 吉野豊(2) SMBC日興
- 三浦豊(3) みずほ
- 鈴木誠一(4) 東海東京
- 仙石誠(5) 東海東京
クオンツ
永吉氏(48歳)が5年連続首位。以前は大和、メリルリンチ所属。
- 永吉勇人(1) みずほ
- 伊藤柱一(2) SMBC日興
- 鈴木政博(3) 大和
- 古川真(4) 三菱UFJMS
- 橋本純一(5) 大和
以上、セクター別アナリストランキング
日経ヴェリタスより引用
アナリストランキング総評
各セクターともベテラン勢が上位を占める状況が続きます。
連続首位記録を伸ばすアナリストも少なくないですね。
若手の台頭は限定的な印象です。
ハウスを挙げて若手アナリストを押し上げようというところもない印象ですし、依然ベテランが前に出ていてジュニアアナリストからの出世が少ないのでしょうか。
大和証券の強化が目立ちますが、上位に顔を出しはじめたアナリストは若手ではありません。
どちらかというとベテランで今まであまり上位に顔を出してこなかった人が出ていますね。
(腕がよくないということではなく興味がなく選挙活動をしない人もいます。腕の場合もあります。)
この辺りをみるとハウスとしての選挙活動を張り切っているのが、なお大和だけという印象を受けます。
本人の意向とは別に全方位的に票集めをするという意味で。
来年もこうした状況が続きそうな気がします。
また、SMBC日興の相場操縦事件によって、業界に変化が起こる可能性もあります。
エクイティ部門が起こした事件であり、そのビジネスの一要素であるアナリストにも影響する可能性があります。
当局の指導等でエクイティビジネスに制限がかかると全体を縮小することになり、エクイティセールス、トレーダー、アナリストの人員縮小が起こるかも知れません。
そうなった時に外資系は拡大意向はないでしょうから、日系他社が人材獲得に動くことになるのでしょうか。ただ、どこも空席は少なく業界から弾き出される人も出てきてしまいそうです。
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