2024年3月3日発刊の日経ヴェリタスにて、2024年アナリストランキングが発表されました。
証券会社別ランキングは、大和証券が6年連続首位となりました。
続く上位勢は、SMBC日興、みずほ、野村、モルガン・スタンレーMUFGと実質日系大手証券が5位までを占めています。
得点差を見ると、大和が13,123ポイントで頭一つ抜けた構図は昨年と変わらずです。
2位SMBC日興が10,171ポイント、3位みずほが9,760ポイント、4位野村6,365ポイントと続き、力の入れ方、定着のさせ方が一層はっきりしてきた印象です。
以下、全体、業種別ランキング詳細を紹介します。
参考記事>>>
「日経アナリストランキング2018結果」
「日経アナリストランキング2019結果」
「日経アナリストランキング2020結果」
「日経アナリストランキング2021結果」
「日経アナリストランキング2022結果」
「日経アナリストランキング2023結果」
「アナリストランキングの仕組みと裏側。ランキングは信用できるのか?」
「アナリストはいらない? 証券アナリストは消える運命か」
目次
- 1 証券会社別ランキング
- 2 アナリスト総合ランキング
- 3 業種別ランキング
- 3.1 産業用電子機器
- 3.2 家電・AV機器
- 3.3 電子部品
- 3.4 自動車
- 3.5 自動車部品
- 3.6 医薬品
- 3.7 医療機器・サービス
- 3.8 トイレタリー・化粧品
- 3.9 化学・繊維
- 3.10 ガラス・紙パ・その他素材
- 3.11 鉄鋼・非鉄
- 3.12 精密機械・半導体製造装置
- 3.13 機械、造船・プラント
- 3.14 食品
- 3.15 銀行
- 3.16 証券・保険・その他金融
- 3.17 小売り
- 3.18 商社
- 3.19 建設
- 3.20 住宅・不動産
- 3.21 電力・ガス・石油
- 3.22 運輸・倉庫
- 3.23 通信
- 3.24 放送・広告
- 3.25 インターネット・ゲーム
- 3.26 ビジネスソリューション
- 3.27 レジャー・アミューズメント
- 3.28 中・小型株
- 3.29 REIT
- 3.30 ストラテジスト
- 3.31 テクニカル分析
- 3.32 クオンツ
- 4 アナリストランキング総評
証券会社別ランキング
証券会社別のランキングは以下の結果となりました。
こちらは各アナリストの獲得点数を会社別に合計し、順位付けされています。
証券会社別ランキング(括弧内は前年順位)
- 大和証券(1) 得点:13,123 アナリスト数:49
- SMBC日興証券(3) 得点:10,171 アナリスト数:34
- みずほ証券(2) 得点:9,760 アナリスト数:36
- 野村證券(4) 得点:6,365 アナリスト数:35
- モルガン・スタンレーMUFG証券(14) 得点:5,075 アナリスト数:34
- JPモルガン証券(6) 得点:2,740 アナリスト数:17
- 東海東京インテリジェンス・ラボ(9) 得点:2,169 アナリスト数:20
- SBI証券(8) 得点:2,037 アナリスト数:19
- シティグループ証券(7) 得点:1,947 アナリスト数:13
- 岡三証券(10) 得点:1,733 アナリスト数:14
- UBS証券(12) 得点:1,616 アナリスト数:11
- ゴールドマン・サックス証券(11) 得点:1,299 アナリスト数:14
- BofA証券(15) 得点:851 アナリスト数:13
- いちよし経済研究所(13) 得点:642 アナリスト数:13
- パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ(18) 得点:303 アナリスト数:1
- ジェフリーズ証券(16) 得点:198 アナリスト数:2
- CLSA証券(21) 得点:15 アナリスト数:1
- マネースクエア(20) 得点:10 アナリスト数:1
各セクターと市場関連部門を合計したランキング
日経ヴェリタスより引用
大和証券のアナリスト数は前年と同じ49人を維持し、他の日経大手証券が30人台半ばを保っているとの比べ、力を入れている分野であることが分かります。セクター別の首位のアナリスト数でも大和12人、SMBC日興10人、みずほ7人と比べても一歩抜きんでています。
今回SMBC日興がアナリスト数で前年から4人増、首位のアナリストも3人増と少しアクセルを踏み込んできた印象があります。一歩踏み出した程度なのか注力体制に入るのか次回を見ればそのあたりの方向性も推察できるでしょう。
アナリスト総合ランキング
全セクターを横断したアナリスト総合ランキングです。
セクターを超えて投票されます。
アナリスト総合ランキング(括弧内は前年順位)
- 村木正雄(1) SMBC日興
- 中根康夫(2) みずほ
- 山田幹也(3) みずほ
- 佐渡拓実(4) 大和
- 和田木哲哉(24) モルガン・スタンレーMUFG
企業アナリスト総合ランキング1~5位
日経ヴェリタスより引用
村木氏は6年連続の1位です。
中根氏、山田氏、佐渡氏も上位ランカーは大御所が占めています。
和田木氏は長年野村に在籍していましたが、移籍していますね。
半導体製造装置のベテランアナリストです。
業種別ランキング
各セクター別のランキング。トップ5を列挙していきます。
順位、氏名、(前年順位)、所属の順です。敬称略。
産業用電子機器
山崎氏(55歳)は14年連続首位。一貫して野村所属。
- 山崎雅也(1) 野村
- 田中健士(2) みずほ
- 大川淳士(3) 大和
- 安井健二(4) UBS
- 吉積和孝(5) SMBC日興
家電・AV機器
中根氏(56歳)は9年連続首位。以前は大和、ドイツ証券等に所属。
- 中根康夫(1) みずほ
- 桂竜介(2) SMBC日興
- 岡崎優(4) 野村
- 綾田純也(3) JPモルガン
- 石野雅彦(6) 東海東京
電子部品
佐渡氏(55歳)は16年連続首位。一貫して大和所属。
- 佐渡拓実(1) 大和
- 後藤文秀(2) みずほ
- 秋月学(3) 野村
- 内野晃彦(4) モルガン・スタンレーMUFG
- 平田真悟(5) UBS
自動車
箱守氏(49歳)は8年連続首位。一貫して大和所属。
- 箱守英治(1) 大和
- 桾本将隆(2) 野村
- 岸本章(3) JPモルガン
- 遠藤功治(5) SBI
- 木下寿英(4) SMBC日興
自動車部品
坂牧氏(47歳)が6年連続首位。
- 坂牧史郎(1) 大和
- 坂口大陸(2) みずほ
- 牧一統(3) SMBC日興
- 岩井徹(4) モルガン・スタンレーMUFG
- 石本渉(6) 野村
医薬品
橋口氏(45歳)が6年連続首位。以前はいちよし、日興に所属。
- 橋口和明(1) 大和
- 山口秀丸(3) シティグループ
- 都築伸弥(2) みずほ
- 田中洋(4) みずほ
- 若尾正示(7) JPモルガン
医療機器・サービス
甲谷氏(47歳)が2年連続首位。以前は野村所属。
- 甲谷宗也(1) みずほ
- 徳本進之介(2) SMBC日興
- 葭原友子(15) UBS
- 山崎裕樹(11) 大和
- 繁村京一郎(6) 野村
トイレタリー・化粧品
佐藤氏が7年連続首位。以前は住友信託を経て、みずほ所属。
- 佐藤和佳子(1) モルガン・スタンレーMUFG
- 広住勝郎(2) 大和
- 桑原明貴子(4) JPモルガン
- 山中志真(8) SMBC日興
- 大花裕司(8) 野村
化学・繊維
宮本氏(34歳)が前年2位から首位。以前はUBS等に所属。
- 宮本剛(2) SMBC日興
- 山田幹也(1) みずほ
- 梅林秀光(3) 大和
- 岡嵜茂樹(4) 野村
- 池田篤(5) ゴールドマン・サックス
ガラス・紙パ・その他素材
平川氏(41歳)が2年連続首位。以前は岡三に所属。
- 平川教嗣(1) 大和
- 河野孝臣(2) 野村
- 松田洋(3) みずほ
- 清田涼輔(5) 東海東京
- 前田拓也(8) SMBC日興
鉄鋼・非鉄
山口氏(58歳)が6年連続首位。以前は岡三、UBS等に所属。
- 山口敦(1) SMBC日興
- 松本裕司(2) 野村
- 尾崎慎一郎(3) 大和
- 五老晴信(4) UBS
- 鈴木博行(5) みずほ
精密機械・半導体製造装置
和田木氏(55歳)が前年5位から首位。以前は野村等に所属。
- 和田木哲哉(5) モルガン・スタンレーMUFG
- 山本義継(1) みずほ
- 杉浦敦(2) 大和
- 芝野正紘(4) シティ
- 島本隆司(6) 岡三
機械、造船・プラント
田井氏(52歳)が4年連続首位。一貫して大和所属。
- 田井宏介(1) 大和
- 佐野友彦(3) JPモルガン
- 佐々木翼(4) モルガン・スタンレーMUFG
- 前川健太郎(7) 野村
- 大内卓(6) SMBC日興
食品
高木氏が2年連続首位。以前はJPモルガン、UBS等に所属。
- 高木直実(1) SMBC日興
- 守田誠(2) 大和
- 藤原悟史(3) 野村
- 佐治広(4) みずほ
- 住母家学(6) 岡三
銀行
松野氏(42歳)が2年連続首位。以前は大和、バークレイズに所属。
- 松野真央樹(1) みずほ
- 高宮健(2) 野村
- 佐藤雅彦(3) SMBC日興
- 鮫島豊喜(5) SBI
- 松田健(11) 大和
証券・保険・その他金融
村木氏(47歳)が17年連続首位。以前は大和、ドイツ所属。総合ランキングも首位。
- 村木正雄(1) SMBC日興
- 渡辺和樹(3) 大和
- 丹羽孝一(5) シティグループ
- 原貴之(4) SMBC日興
- 佐藤耕喜(6) JPモルガン
小売り
高橋氏(52歳)が前年2位から首位。以前は国際証券所属。
- 高橋俊雄(2) みずほ
- 小場啓司(1) モルガン・スタンレーMUFG
- 金森都(3) SMBC日興
- 風早隆弘(4) UBS
- 川原潤(5) 大和
商社
森本氏(41歳)が7年連続首位。以前はMUMSSに所属。
- 森本晃(1) SMBC日興
- 永野雅幸(2) 大和
- 成田康浩(3) 野村
- 水野加奈子(4) みずほ
- 五老晴信(6) UBS
建設
寺岡氏(54歳)が5年連続首位。一貫して大和所属。
- 寺岡秀明(1) 大和
- 川嶋宏樹(2) SMBC日興
- 浜川友吾(4) 野村
- 八木亮(3) モルガン・スタンレーMUFG
- 中川義裕(5) みずほ
住宅・不動産
田沢氏(46歳)が5年連続首位。以前は三和銀行、バークレイズ、UBSに所属。
- 田沢淳一(1) SMBC日興
- 橋本嘉寛(3) みずほ
- 福島大輔(4) 野村
- 増宮守(5) 大和
- 姉川俊幸(2) モルガン・スタンレーMUFG
電力・ガス・石油
西川氏(38歳)が4年連続首位。一貫して大和所属。
- 西川周作(1) 大和
- 新家法昌(2) みずほ
- 萩野零児(3) モルガン・スタンレーMUFG
- 神近広二(5) SMBC日興
- 山崎真一(6) 野村
運輸・倉庫
鈴木氏(48歳)が5年連続首位。一貫してみずほ所属。
- 鈴木克彦(1) みずほ
- 姫野良太(2) JPモルガン
- 広兼賢治(5) 野村
- 土谷康仁(4) モルガン・スタンレーMUFG
- 米沢正洋(7) 大和
通信
菊池氏(54歳)が4年連続首位。以前は野村、ドイツ所属。
- 菊池悟(1) SMBC日興
- 安藤義夫(2) 大和
- 増野大作(3) 野村
- 田中秀明(4) モルガン・スタンレーMUFG
- 堀雄介(5) みずほ
放送・広告
前田氏が前年2位から首位。以前は大和、JPモルガン所属。
- 前田栄二(2) SMBC日興
- 岸本晃和(3) みずほ
- 森はるか(4) JPモルガン
- 長尾佳尚(11) BofA証券
- 宝水裕佳里(6) SBI
インターネット・ゲーム
小山氏(53歳)が10年連続首位。以前はドイツ所属。
- 小山武史(1) みずほ
- 森はるか(3) JPモルガン
- 森田正司(2) 岡三
- 山村淳子(4) シティグループ
- 前田栄二(5) SMBC日興
ビジネスソリューション
上野氏(58歳)が4年連続首位。一貫して大和所属。
- 上野真(1) 大和
- 田中誓(2) ゴールドマン・サックス
- 菊池悟(3) SMBC日興
- 堀雄介(4) みずほ
- 岩渕啓介(6) 岡三
レジャー・アミューズメント
関根氏(36歳)が3年連続首位。一貫して大和所属。
- 関根哲(1) 大和
- 織田浩史(2) SMBC日興
- 森田正司(3) 岡三
- 山村淳子(4) シティグループ
- 栗原智也(6) SBI
中・小型株
長谷川氏(59歳)が4年連続首位。以前は三洋等所属。
- 長谷川義人(1) モルガン・スタンレーMUFG
- 三浦勇介(2) 大和
- 小島次郎(3) 大和
- 皆川良造(5) SMBC日興
- 五十嵐竣(11) 大和
REIT
鳥井氏(45歳)が9年連続首位。以前は大和所属。
- 鳥井裕史(1) SMBC日興
- 大村恒平(2) 野村
- 大畠陽介(3) みずほ
- 秋山巧(4) 大和
- 竹内一史(6) UBS
ストラテジスト
阿部氏(49歳)が2年連続首位。以前は財務省、外資系証券等所属。
- 阿部健児(1) 大和
- 菊地正俊(2) みずほ
- 宮島秀直(3) パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ
- 圷正嗣(15) BofA証券
- 阪上亮太(4) シティグループ
テクニカル分析
木野内氏(59歳)が5年連続首位。一貫して大和所属。
- 木野内栄治(1) 大和
- 吉野豊(2) SMBC日興
- 三浦豊(3) みずほ
- 鈴木誠一(4) 東海東京
- 仙石誠(5) 東海東京
クオンツ
永吉氏(50歳)が7年連続首位。以前は大和、メリルリンチ所属。
- 永吉勇人(1) みずほ
- 鈴木政博(2) 大和
- 伊藤桂一(3) SMBC日興
- 波多野紅美(5) SBI
- 橋本純一(6) 大和
以上。セクター別アナリストランキング
日経ヴェリタスより引用
アナリストランキング総評
ここ数年の無風状態が、更に更に固まった印象です。
若干の古参アナリストの移籍はあったものの、人の移動も非常に限定的な様子を感じます。
各社の順位や差異もそれほどの変化はなく、大和を中心に若手が若干だけ育ち始めているのかなといった程度です。
大御所をはじめ、上位層のアナリストは居場所が固まってしまっていますし、引き抜き合戦をやるインセンティブも各社に存在しない状態です。
何か大きな地殻変動がなければ、業界は当面変わらない雰囲気です。
将来のためには、もう少し若手の台頭がみられることを期待したいと思います。
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