「老後に備えて資産運用をはじめたい」と思っている方はとても多いです。
老後資金2,000万円という言葉が印象に残っている方も多いと思いますが、それだけ危機感を覚えることでもあります。
2,000万円という金額に驚いている人も多いことと思いますが、生活水準にもよりますが、2,000万円でゆとりある生活を送ることは難しいでしょう。
老後を質素倹約、我慢で生きるのであれば不可能ではないでしょうが、毎日楽しく生活するには心もとない金額です。
老後に備えて資産運用を始めたいと思う人が増えて当然といえます。
しかし、何をしていいか分からない。金融機関に騙されそうと不安に思う人が多いのではないでしょうか。
資産運用をはじめるにあたって、まずはあなた自身の現状把握とシミュレーションを行うことが必須です。
これをせずに勧められるがままに金融商品を買ってしまうと、何の為に運用してたんだろうということになります。
目次
老後資金運用の準備:まず全財産を把握する
誰に聞いても、「お金は大切」と言います。
人によっては、「命の次に大切なものはお金」というくらいです。
それにも関わらず、自分の全財産はいくらか?と考えた時にパッと出てこない人がほとんどではないでしょうか。
ざっくり〇千万円とか〇億円くらいだったかな~程度に認識している人が多いと思いますが、それもかなり昔の額だったりしますし、現預金が半分くらい、株式が〇%、生命保険が〇%のように内訳まで把握している人は非常に少ないです。
その上に不動産であったり、金、銀、ゴルフ会員権などの現物資産を保有している場合、その評価額など全然わからないという方も多いですし、忙しくて持っていることすら忘れていたということもよくあります。
しかし、老後資金運用を始めるにあたっては、現在の資産状況を把握せぬまま計画を立てることはできません。
また、一口に「お金のことで悩んでいる」と言っても何が問題なのかが分からないのです。
資産運用をスタートさせる時、まず何より先に現在の資産状況を整理しましょう。
預金通帳、金融機関の預り明細、生命保険証券、住宅ローン返済予定表等々を引っ張り出してきて、紙に書き出してください。
老後資金運用の準備:現在の資産状況から将来をシミュレーションする
現在の資産状況が把握できたら、次のステップはそこから将来の資産状況をシミュレーションすることです。
「ん、何言ってるの?」って感じですよね・・・
現在の資産状況を書き並べたら、次は将来を考えて貰いたいのです。
今のままで1年間、5年間、10年間過ごしたら、どういう資産状況になっているのかイメージが欲しいのです。
それをどうやってやるのか?
例えば今後10年間をシミュレーションする場合、
- 現在から10年後までの収入を書き並べてください。勤務先の規定などで給与の増加、減少が予想できる人はそれを前提に、分からなければ今の収入が続く前提でも結構です。給与以外にも不動産収入や副業収入がある人はそれも加えてください。
- 同じように現在から10年後までの支出を書き並べてください。食費、光熱費、通信費、教育費、住宅ローン返済から遊興費、交際費までできる限り書き出してください。お子さんの年齢で教育費などある程度予想ができるものはそれも考慮します。
- 現在から10年後まで各年の収入-支出を計算し、収支を把握します。
- 収支が黒字の年は、黒字分を預金残高にプラス、赤字の年は同様にその分を預金残高からマイナスします。
ここまでやって貰うと、10年後の資産額はもちろん、何年後にお金が足りなさそうであるとか、意外と余裕だなとか随分とハッキリ見えてくると思います。
もちろん詳細であればあるほどいいですが、出来る範囲でもやるとやらないのでは天地の差です。
これが分かっているだけでも、金融機関や保険会社のセールストークで騙されたりするリスクもかなり減ると思います。
ただ、手計算だと大変なので、できればエクセルなどの表計算ソフトでやりたいところです。
老後資金運用の準備:シミュレーションをもとに資産構成の修正点を見つける
将来の資産状況のシミュレーションができたら、課題が見えてきます。
将来の資産が目減りしてしまうようであれば、その分を埋めてあげる必要がありますので、ここに運用の必要性が出てくるわけです。
例えば、今現在資産のほぼ100%が預金ということであれば、増加を見込むことはまず不可能ですので、この一部を運用資産にチェンジする必要があります。
どの資産にどれだけ資金配分すればいいかを判断する上でも、将来の目標額があると選定がしやすくなります。
また、何年間でいくらの運用収益が必要かも見えているので、その観点でもリスクリターンのバランスが取れます。
当然ですが、若くてお金を増やす時間があるほど、小さなリスクテイクで済みますし、逆にリスク許容度も上がってきますので有利です。
また、よくあるケースが生命保険の入り過ぎ。
しつこい勧誘や根拠のない恐怖感を煽られて過剰に加入している人が多いです。
生命保険を適正額に見直すだけでも、資金の逼迫は随分と改善されます。
このように、運用益の金額目安や年数を把握してターゲットとなる資産を選定、また無駄な支出があれば止血を行うように修正していきます。
その上で、修正後のシミュレーションも同じように実施し、OKであれば初めて運用開始になります。
個別の銘柄を考えていくのは、この後の作業です。
老後資金運用準備の為のシミュレーションまとめ
- まずは現在の全財産を把握する。預金通帳、生命保険証券等々を揃えて、書き出す
- 現在の資産状況をベースに将来シミュレーションを行う
- 将来シミュレーションで把握した問題点に沿って資産構成を修正する
自分で行うには大変な作業ではありますが、出来る範囲でやると視界がクリアになります。
詳細にやりたい場合は、専門家への依頼をお勧めします。
外資系プライベートバンクとお付き合いがある超富裕層の方はそちらに相談するといいと思いますし、顧問税理士等がいる方は心当たりがないか聞いてみるといいでしょう。
場合によっては、コメント欄にて相談頂ければお力になれることもあるかと思います。
また、証券会社や銀行への相談は、専門知識に乏しい担当者が多いこと、それをきっかけにしつこい営業を受けるリスクが大きい為、お勧めできないです。
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