証券会社でよくあるトラブル・クレーム。多くの人が抱える5つの悩み

資産運用の心構え
証券会社で取引していて、納得いかなかったり、不信感を覚えることが度々にあると思います。
 
疑問に思うことがあれば一人で抱えないことが大事とはいえ、お金に関わる悩みは人には相談しにくいもの。
 
証券取引のトラブルは自分だけの悩みに感じられるかも知れませんが、意外に皆さん同じ悩みを抱えています。
 
多くの方から証券会社への不満として寄せられる声は概ね以下に集約されることが多いです。
 

買付の提案はしつこいが、売却の助言がない

これは本当に多い・・・。

当然ながら買付から売却までが一連の戦略となるので出口まで案内しないと何の意味もないです。
絶対にあってはならないことです。
 
こうしたことは特に投資信託に多いのですが、「販売会社マインド」が沁みついている為、一度販売したらそこでハイお疲れ様となる会社が非常に多いです。
 
担当者は販売する時にはセールストークを覚えさせられて一生懸命なのですが、根本的な知識・戦略を勉強していないがために、そもそもフォローアップする能力がありません。
それに株は売り買い両方で手数料がかかりますが、投資信託は売却の際にはほとんど手数料収入がありません。
 
ゆえに売り時だけアドバイスしても仕方ないというマインドになりがちです。
 
特に最近は、投資信託偏重の提案スタイルが顕著ですので、こうした傾向が強いです。
 
お客様のパフォーマンスを重視すること、その為に勉強する姿勢という基本的なことが欠けている担当者があまりに多いです。

やたらと投資信託、ファンドラップを勧められる

証券会社の販売戦略は、投資信託、ファンドラップに偏っていると言っても過言ではありません。
 
手数料率が高く、保有期間中も毎月報酬が入ってくる、そして一度全支店に向けてセールストーク教育をすれば済むので、証券会社からすると効率がいいのです。
 
大体重点販売ファンドが決まっていて、2つ、3つの商品ばかり勧められます。
重点商品について販売ノルマが与えられ、それ以外の商品を推奨した担当者は反抗的などと言われる文化も残っていて、特定の商品ばかりをお客様に勧めることになるのです。
 
同じ証券会社で取引している友人・知人がいる方は、どの商品を保有しているか聞いてみるといいです。
 
あまりに自分と似ていて驚くハズです。

当然ながら、皆が持っているもの=いいものではありませんので、ご注意を。

売却推奨時には、同時に別の商品の買付を促される

いわゆる「乗換え提案」というやつです。

A投信を売って、B投信を買いましょうという提案ですね。
投信の売却時は証券会社にはほとんど手数料が入りませんが、買付時には大きく入ります。
投信の売却提案だけをやっても証券会社は儲かりません。(株は違いますが)
 
A投信買付後、ある程度の期間が過ぎるとB投信が勧められます。
 
これは買付時手数料狙いであったり、グループ投信会社の新ファンドの資産を膨らませる為に行われることが多いです。
 
一定期間後に勧められることが多いのにも、証券会社内のルール制約があります。
 
短期的に上昇してもそこで売却提案をしてくれることはまずありません。
 
 
また、相場全体が上がっている時には一旦売却で利益確定し、マーケットが冷えるのを待ってから次の買いを行うべきですが、そうした提案をしてくれるケースは残念ながら少数です。
 
言わずもがな、売却だけでは手数料が入りませんし、何か保有してくれないと信託報酬も得られませんので・・・

一度資金を預けると引き出しに応じてくれない

電話や対面で直接送金依頼をした方はよく分かると思いますが、物凄くしつこく止められることが多いです。

証券会社には預り資産の純増という目標があって、引き出されると都合が悪いのです。
 
そもそもサービスに信頼があれば、また資金を預けて貰えるものですが、上記の通りでお客様からの信頼を得ていないことは自分達でも分かっているのでしょう。
なので・・・力づくでも止めます。
 
銀行でも纏まった預金を引き出すと支店長が飛んできたなんてことがよくありますが、同じことが起こります。

資金を引き出す場合には、カードを使ったり、コールセンターに電話したりして、取引支店を介さないほうがいいかも知れません。

増資案件、新発社債などの勧誘は何度断ってもしつこい

近年だとソフトバンクの上場時や日本郵政の売出しなどの案件の時に体験された方が多いと思います。

IPO、公募増資、新発社債などは証券会社が一度買い受けたものをお客様に販売する形をとります。
一度仕入れた在庫はなんとしても掃かねばなりません。
 
とくに大型案件がある時には、社長から直接全国に大号令がかかり、是が非でも売り切るように、他社よりも短期間で完売させるように指示が飛びます。
 
発行体にも販売状況を報告しますので、他社に負けていないことを示す必要があります。
大型案件があると、各担当者はかかりっきりになり他の商品は度外視されます。
 
何度も支店長がお願いにきて、根負けして買ってしまったという方も大勢おられます。
 

証券会社で多いトラブルまとめ

  • 商品を勧める時は一生懸命。しかし、買った後はフォローがない。
  • 商品の提案が特定の投資信託、ファンドラップに偏っている。他の個人投資家も似たようなポートフォリオになっている。
  • 売却を勧められる時は「乗換え提案」である可能性が高い。一旦、利益確定という提案はなく、買い提案がセットでついてくる。
  • 一度資金を預けると引き出すことが困難。必死に止められることが多い。
  • 増資案件、新発社債の提案は特にしつこい。何度断ってもやってくる。
こうしたトラブルは本当に多いです。お気をつけください。
 
あまりに酷い場合には、日本証券業協会に相談窓口がありますので、覚えておくといいでしょう。

参考記事>>>「なぜ証券会社の営業はしつこいのか。
証券会社が投資信託を解約させてくれない!? 恐ろしい「短期損切り禁止」ルール

コメント

タイトルとURLをコピーしました