外国株の根本的リスク。おすすめできない危険な理由

金融商品
外国株に関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
証券会社もアップルやグーグルなど世界的企業の株を熱心におすすめしてくることが多いです。

外国株のリスクと言えば、為替、値動きの大きさ、カントリーリスクなどが挙げられますが、それ以上にもっと根本的なリスクがあります。

証券会社は手数料が高いから外国株を勧める

証券会社が外国株を熱心に勧める理由は、手数料率の高さにあります。

株式の手数料は日本株でざっくり売買代金の1%程度です。
それに対しては外国株は約2-2.5%程度が相場となります。
証券会社からすると圧倒的に儲けやすいのです。
さらに外国株は値幅制限がなく、株価の変動率も日本より高い傾向にあります。
そうすると、上がれば利益確定、下がれば損切りといずれに動いても次の手数料も稼ぎやすいのです。
手数料が高い上に回転率も上がる。営業効率の良い商品です。
日本株よりも投資チャンスがあるから勧めている訳ではないケースが大半です。
手数料が高くてもそれに見合う魅力的な商品であれば投資してもいいと思われるのですが、中々そうもいきません。

外国株は情報収集・分析が難しい

外国株を買わないほうがいいと思う理由は情報整理の難しさに尽きます。

言わずもがな投資には正確な情報収集と理解が必須です。
そして日本からこれを確りと行うことができるでしょうか。
もちろんネット社会においては海外サイトなどへのアクセスはすぐにできます。
ですが、まずもって海外サイトで正確な情報収集ができる人がどれだけいるでしょうか。
当然ながら日本語に翻訳されたサイトではいけません。
翻訳ページのほうが圧倒的少なく、情報が全然足りません。
海外上場企業の立場からしても日本の投資家、特に個人投資家にアクセスするメリットが非常に薄いので日本語ページまで作成しない場合がほとんどです。
個人マネーを集めるにしても英語圏の人達で十分です。
言語の問題をクリアしたとしても、英文決算書、開示資料の読みこなしができなくてはいけません。
日々飛び込んでくるニュース等にも対応していく必要があります。
その企業から発信される情報だけでなく、業界動向や競合企業の情報、政府の方針、中央銀行の金融政策、今であればコロナウイルスへの対応状況などもキャッチしておく必要があるでしょう。
それも2-3日後に気付くようでは遅いです。
引け後に情報開示されたら次の日の場が開く前に、ニュースであれば半日以内には整理しておきたいです。
時差もある中で、このような対応ができるでしょうか。
「そうはいっても日本株だってそこまでしてないし、株持ちっぱなしでいいんじゃない?」という意見もあるかと思います。
これはどちらかというと個人投資家本人ではなくて証券会社、金融機関の担当者が対応しなければならないことです。
現地の人と遜色ない対応ができる会社、担当者がどれだけいるでしょうか。
海外現地法人から情報を取り寄せて全国支店に発信している証券会社も多いですが、簡単なレポートが配られてそこに書いてある情報が全てです。
海外現地法人と頻繁に電話してリアルに情報キャッチしている支店担当者もいるかも知れませんが、稀でしょうね。
外国株については、貧弱な情報のもと取引せざる得ないと考えていただいたほうがいいと思います。
どうしても海外株が買いたい場合は、情報弱者にならない体制を十分に固めてください。

外国株の日本人ファンドマネージャーは非常にレアな存在

機関投資家においても、外国株担当の日本人は少ないです。

外国株投資信託も沢山ありますが、海外運用会社へ委託して運用されているケースが多いです。
日本の運用会社のオフィスで運用している訳ではありません。
機関投資家からするとわざわざ日本人に外国株を担当させるメリットがありません。
現地の株はやはり現地の人のほうが理解しやすいです。
外国株の日本人ファンドマネージャーもいるにはいますが、彼らはその国に住んでその国の運用会社で働いています。
海外運用会社でファンドマネージャーを補佐するアナリストとして現地企業の取材・分析を日常的にこなして経験を積んだ上でファンドマネージャーになっています。
もちろんずっと滞在しながらです。
こうなるともうその国の人と同じレベル。その国の労働者です。
日本人が日本人のまま外国株を運用してる訳ではないのです。
ちなみに日本株の外国人ファンドマネージャーもいますが、同じように非常に少ないです。
そして彼らも長年日本にいて、日本企業の取材・分析を繰り返しながらファンドマネージャーになっています。
日本人と同じレベル。日本の労働者です。
日本株売買シェアの70%程度は外国人なのですが、彼らは外国の運用会社でありながらも日本にオフィスをおいて、日本人を多く使ってリサーチをしています。
外国人だからといって情報、時差の違いを受け入れて、不利な条件で投資をしている訳ではないのです。
日本人と同じレベルの情報・分析の精度を持って実行しています。

やはりホームカントリーでの投資が有利

当然といえば当然ですが、情報・分析において十分な体制が取れなければ外国株投資は非常に難しいのです。

また、日本企業においても成長力の高い銘柄はたくさんありますし、隠れた有望銘柄を探すこともできます。
誰でも株価を毎日のように観察でき、チャンスを時差なく捉うことも可能です。
そして幸いにも世界で見れば日本市場は発達した健全な市場であります。
恵まれたマザーマーケットがあるのですから、不利な戦いを強いられてまで外国株投資を行うこともないのではと思います。
もちろん十分な戦闘態勢があるのであれば外国株投資を否定するものではありません。

外国株投資をおすすめしない理由まとめ

  • 外国株は証券会社がよく勧めてくる。外国株の手数料は日本株の2倍以上
  • 外国株の情報収集・分析は困難。証券会社から正確でスピーディーな情報を得ることはまずない
  • 外国株の日本人ファンドマネージャーは非常に少ない。いても実質外国人と同じレベル
  • ホームカントリー以上に有利な環境はない。不利な外国株よりも有利な日本株を狙う
外国株のリスクとして一番大きいのは、情報収集が非常に困難であることです。
証券会社はあまり説明してくれませんが、よく認識しておいて貰えればと思います。
以上、外国株投資が難しい根本的な理由についてでした。

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