証券会社・銀行に騙されないために。注意すべきセールストークと販売手口

資産運用の心構え
証券会社や銀行から金融商品を勧められたときに、本当に大丈夫なのか不安になることも多いでしょう。
 
どんな金融商品であろうと合理的な判断ができれば問題はないのですが、自信を持って決断できる人は多くないと思います。
 
ただ、何も分からずに迷っている場合でも、金融機関側は容赦なく必死に売り込んできます
 
金融機関にとっては、お客さんが儲けようと損しようと手数料が稼げたり、ノルマが達成できればいいので関係ありません
 
金融機関が必死に売り込んでくるときほど、危険なセールストークが多くなりますので、これに注意するだけでも危険な金融商品から自分を守ることができます。
 

金融機関に「人気商品。皆が買っています。」と言われたら要注意

人間心理として、「人気商品」、「売れている」、「みんな買っている」と言われるとつい欲しくなってしまうものです。
 
証券会社や銀行もこれを巧みに利用します
 
この投資信託は人気商品で皆が買っています」と言われたら、要注意です。
 
金融商品は食べ物や服などと決定的に違って、人気があることと、いい投資であることとは全く別問題です。
 
むしろ、人気があるということは資産価格が上がっていて高値掴みをしてしまう可能性も高くなります。
皆が買っているから大丈夫というのは全くあてになりませんし、売られるときのマグニチュードもそれだけ強烈になるので逆に危険です。
 
投資信託の場合、特に忘れてしまいがちなのですが、結局中身は株式と債券、あるいは不動産などです。
 
人気があって価格が高いときに買うのがいい判断なのでしょうか・・・。
 
基本は、安く買って高く売ること。
誰でも分かることです。
人気がある」、「皆が買っている」には十分に気をつけてください。
 
経済動向や投資対象の分析ではなく、こういうことばかり言う金融機関の担当者は何も分かっておらず、知識がない可能性も高いです。
 
お買い物が好きな人や流行に敏感な人ほど、反射的に乗ってしまいやすい言葉なので、十分に注意してください。

「早くしないとなくなります。」で購入を急がせる

これもよくある売り文句です。
早くしないとなくなります」、「限定品です」という言葉につい反応してしまう人は多いです。
 
このセリフがよく使われる商品は、株式のIPO、公募増資、売出し、新発債券の募集、クローズド投資信託(設定時のみ募集する投資信託)などです。
その他でも、全く同じものはもう買えないとしてしまえばいいので、その意味で「限定品」はいくつあっても嘘をついたことにはなりません。
 
よく考えてください。
 
限定品」と言われたところで、それが儲かる可能性の高いものなのでしょうか
 
明日、1ヶ月後、半年後、1年後に、今が買い場だと言えるチャンスはもう来ないのでしょうか
そんなことはないですよね
 
日本株だけでみても、上場株式は3,700銘柄以上あります。
2~3ヶ月に一度は、マーケット環境が変わる局面があることが多いですし、視野を広げたり、考え方を変えたりすれば沢山チャンスはあります。
 
徹底的な分析の上で冷静な判断のもとで買うなら話しは別ですが、飛びつくように購入してしまっては上手くいくはずがありません。
 
焦って、十分な思慮のないまま投資することは危険です。
 
相手は、販売したいがために焦らせてきているのではないか・・・と考えてみることも必要に思います。
 
いくらいい人であろうとも全く関係ありません

投資信託の「分配金がたくさん出ます」は絶好の釣り餌

資産運用初心者、個人投資家の失敗で一番多いのは、分配型投信ではないでしょうか
 
毎月、分配金が○○万円出ます。
という言葉に負けて、買ってしまう人が後を絶ちません。
分配金だけに気を取られていると、正しい評価ができずに失敗します
 
そもそも投資信託の分配金は、株式の配当や債券の金利とは全くの別物です。
 
自身の持分から毎月一定額を削り出しているだけです。
そして、その分だけ元本が削がれていきます。
 
毎月、銀行預金をおろして財布のお金が増えたといって喜んでいる人はいませんよね。
ざっくり言えば、分配型投資信託ってそういう仕組みです。
日本だけでまかり通っている、販売のための商品スキームです。
 
投資信託を買う際に見なければいけないのは、投資対象の収益性です。
ここを予測するに尽き、分配金がいくら出るかは実質的なもうけには関係ありません
 
詳しく知りたい場合は、「投資信託分配金の仕組みと利益認識。投信は本当に儲かっているのか?」を読んでみてください。

売却と同時に買いを勧められる場合は、手数料稼ぎの可能性が高い

これは証券会社で特に多い印象です。
 
ある投資信託の売却別の投資信託の購入同時に勧められるというケースは非常に多いです。
組み合わせは、投資信託同士に限らず、投資信託と株や債券といった場合など色々です。
特に毎回のように、売りと買いの提案がセットであれば、手数料稼ぎに使われている可能性が非常に高くなります
 
考えてみてください。
 
そもそも毎回、売りを買いを同時にやる必要があるのでしょうか?
いつもいつも都合よく、売り場と買い場が同時に訪れるわけがないですよね。
 
本当に儲けようと思えば、売りのあとで買いのタイミングを見極めて出動すべきです。
知識の乏しい担当者に、都合よく動かされないよう注意してください。

同じ商品の勧誘で何度も上司・部下揃っての訪問は押し売り

これは押し売りをしようとしている可能性が非常に高いです。
 
著しく高額の資産を預けている場合であれば、上客ということで毎回支店長が来るということもあり得ますが、そうでもなければ余程販売したいときしか来ません。
 
支店長など肩書のある人が来ると、丁寧に扱われている気がしてしまったり、押しに負けたりして、つい買ってしまう人も多いです。
 
こんなことで買ってしまっては、金融機関の思うツボです。
 
酷い場合には、一度断っているのに何度も訪問されて、しつこく勧誘されるなんてこともあります。
支店長が来るということは、金融機関もそれだけ必死になって売り込みたいということなのです。
また、それに薄々感づいている人でも押しに負けてしまう人もいます
 
押し売りに対しての情けは自分の首を絞めるだけですので、絶対に応じないようにしましょう。
銀行の場合は、融資と天秤にかけてくることもあります
 
ここまでされると断るのは難しくなりますが、損得勘定がないのであれば毅然とした態度で断りましょう。
 
ちなみに、銀行がこのような行為をすることは、優越的地位の濫用といって禁止されていますが横行しているのが実態です。
 
また、どうしようもなくなって、「お願いします買ってください」と言われるケースもあります。
お涙頂戴が通用すると思われるとこんなこともされてしまいます。

証券会社・銀行に騙されないために注意すること:まとめ

  • 「人気商品」や「皆が買っている」に惑わされてはいけない。人気があることと儲かることとは全くの別物。
  • 「早くしないとなくなる」で急かされてはいけない。チャンスはいくらでも転がっているし、金融機関からもたらされるものではない。焦って飛びつかないこと。
  • 投資信託の「分配金がたくさん出ます」に惑わされてはいけない。投資信託の分配金と実質的なもうけは異なる。
  • 売却と同時に購入を進められるときは手数料稼ぎに利用されている可能性が高い。特に毎回の場合は、本当に売りと買いのタイミングが同時にきているのか考えるべき。都合のいいお客にならない。
  • 何度も上司・部下揃っての訪問があるときは、金融機関も必死に売り込みたい。相手側の都合に押し負けてはいけない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました