証券会社が解約させてくれない時の対処法

資産運用の心構え

証券会社で取引を辞めるのは結構大変です
口座抹消はもちろんのこと、投資信託1本解約するにも中々応じて貰えなかったりします。

投信解約を申し出たら、何度もしつこく止められた。

支店長が来て長時間説得されたこともあるし、結局いつも解約できない。

自分の判断にもしっかりした自信がないし、担当者との間で気マズイ思いをするのも嫌。

こういった悩みを抱えている人は少なくありません。証券会社あるあるです。
ですがこの状態が続くと、何年もダラダラと悩み苦しむ、損してもいいから諦めてしまうということになってしまいます。

この記事では、以下の解決策を紹介します。

□本記事でわかること
  • 証券会社で投信など金融商品解約や口座抹消をやりきる方法
  • 本当に解約すべきか分からなくなった時の考え方
  • 営業マンと揉めて心が疲れるときに知っておくべきこと

現役で個人投資家を担当している営業マン(解約させない側、解約を手伝う側両方)、独立系アドバイザーの人から聞いているリアルな声も参考にしながらまとめています。

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証券会社で解約する方法3つ

担当営業マンに正面から申し出る

「正面突破できれば苦労しないわっ!」とツッコミをいただいてしまいそうですが、一人でやらなくてもいいです。

家族や親戚で詳しい人がいれば話し合いに同席して貰ったり、電話する時に横についていて貰ったり、誰かが側にいてくれると全然違います
あなたの個人情報も関わってきますし、冷静でクレバーな人がいいので、人選には注意が必要ですが、味方がいれば心強いです。

また、次は他の証券会社や運用アドバイザー等に切り替えると決めている場合もありますよね。
その場合は、解約も手伝って貰うといいです。
同席までは難しかったりしますが、解約申し出の面談前にアドバイスを貰うなど、側面サポートしてもらうといいでしょう。

インターネット取引で解約する

正面からの申し出にこだわる必要はありません。
インターネット取引で解約できる商品であれば、こちらを利用するとスムーズです。

但し、証券会社や商品によっては、ネットでの売買ができない場合があります。
また、悪質な業者の場合は、解約を防ぐためにネット取引を止めてくることもあるようです
(法律の専門家ではないですが、かなりグレーな気がします。)

対面証券会社であってもネット取引も併用可能です。
まずは、ログインして、解約できるか確認してみましょう。

解約申し込みをした後に、支店の担当者が飛んでくることもよくあります
株であれば約定していれば問題ないですが、投信などの場合は一定期間までなら解約取り消しできる商品もあります。その場合、よく解約取り消しを求めてきます。断る自信がない人は居留守を使いましょう

性格によっては、「顔も見ずに解約してしまうのは相手に悪い」、「なんだか卑怯なことをしている気がする」という人もいます。ですが、営業マンはそう思わせるように教育されています。
そもそもあなたのお金です。誰かに遠慮するのはおかしな話です。

コールセンターで解約する

インターネット同様に、コールセンターで解約するのもいい方法です。

コールセンターは、支店とは全く別のスタッフが対応しています。
マニュアル的に売買に対応するので、基本的に営業や説得されることはありません。
こちらも全商品の解約ができるかは確認が必要ですので、電話して聞いてみましょう。

売買記録や投信解約申し込みなどは、支店に共有されることがほとんどです。
ですので、解約取り消しが間に合う投信などの場合は、取り消しの説得に来ることもよくあります。
断る自信がない人は居留守をおすすめします。
また、解約を防ぐためにコールセンターでは受注させないよう指示している場合もあるようです
このあたりもインターネットと一緒です。

営業があまりにしつこい時は通報

証券会社の営業があまりにしつこい時には、通報することもできます。
通報といっても警察は関係ないので、以下の二つが通報窓口と覚えておいてください。

  • その証券会社の本社:通常本社は支店の度が過ぎる営業を許しません。困っている具体的内容を支店名、支店長名、担当営業マン名と一緒に話してください。
  • 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC):日本証券業協会の相談センターです。証券会社にとってはいわばお上です。

強引な営業や解約止めに遭った際には、相談窓口があることを知っておくだけでも気持ちも楽になります。

相談する前にも、「これ以上しつこくすると(上記に)連絡する」と言うだけでも効果があります。
モンスター客になってはいけませんが、そうでないのであれば堂々と利用しましょう。

解約すべきか分からなくなった時の考え方

解約する理由を書き出す

解約を申し出たときに、「まだ売らないほうがいい」と止められると思います。
はじめは、「いや、売る」と断っていたとしても、そのうち本当に売っていいのか・・・と迷ってしまうことがあります。
証券会社側も営業トークではなく、本当に売り場ではないと分析している場合もありますし、自信がないと迷ってしまいます。

迷ってしまった時には、解約する理由を紙に書き出してみてください
頭で考えるだけでなく、紙に書くことで頭の中が驚くほどすっきりします。

箇条書きでかまわない

別に発表するものでもないですし、文を書くのが苦手な人もいます。
自分のための落書きで構わないので、箇条書きでサクサク書いてみればOKです。

例えば、
・全く中身の分からない新興国の投信を買ってしまっていた
・たまたま儲かったけど、分からないまま持ち続けたくない
・信託報酬が高すぎる

くらいでOKです。
どういう点に気をつけて書き出せばいいかは、下記を見てください。

判断のポイント5つ

書き出す際には、これらのポイントについて最低ひとつづつは触れてください。

  1. どういった資産なのか:先進国株式投信、新興国債券投信・・・など
  2. 価格変動の理由をわかっているか:先進国株の上昇、新興国通貨高・・・など
  3. この先価格はどうなると思うか:上昇する、下落する、わからない・・・など
  4. そもそも何故それを購入したのか:〇〇がいいと思った、なんとなく、温情・・・など
  5. 売却したとしてどうしたいか:他商品に乗り換えたい、他社に乗り換えたい、現金で置いておきたい・・・など

これら5つのポイントに触れた上で、書き出してください。
「自分の素人判断なんて・・・」と思う人もいるかも知れませんが、金融機関の支店営業マンの8割は金融の素人に毛が生えた程度です。但し、モノ売りのプロです。

それに、自分の中から湧き出た理由は、素人かプロかに関わらず考えるに値する軸です。
自分の内側からの理由に答えが出せないものを持つ理由はありません。儲かるか否か以前の問題です。

セカンドオピニオンを受ける

もし可能であるならば、セカンドオピニオンを受けられるといいです
信頼できる人や業者がいるのであれば、そちらに相談するといいでしょう。
また、その場合は、解約のサポート、アドバイスもお願いするといいです。

そういった人が周りにいない場合、セールスに負けないという条件付きですが、他の業者数社に、相談をするといいです。
例えば、野村證券で解約を考えているなら、大和、みずほ、日興などに「これで大丈夫か?」と相談してみる。すると自社に引き込む為の提案や今の資産の状況を説明してきます。(あなたの機嫌を考えて、今の資産を否定しない程度に)。

ここでは、共通する意見がないかに注目して話を聞いてください。異口同音に同じ理由が出れば判断材料のひとつになります。
法人はよくやりますが、コンペ、相見積もりをとるようなイメージです。
繰り返しますが、意見だけ拾い集めてセールスに乗らないこと。
気が弱い人、乗せられやすい人は、やめておいたほうがいい裏技です。

営業マンと揉めるのは心が疲れるという時に知っておくべきこと

営業マンと揉めて疲れてしまう」、「揉めて嫌な気分になるくらいなら損してもいい」、「仲良くしていた○○さんと気まずくなるなら解約は諦める」・・・。

このように思う人って意外と多いです。
ですが、相手は意図的にこのように思わせるように指導されています
夜のお店にハマるのと同じくらいヤバいと思ってください。いや・・・金額が違い過ぎますよね。

心を疲れさせるのは解約を止める常套手段

金融機関は、解約や口座抹消を申し出た際に、まっとうな理由では説得できないとなると、理屈を超えた手法を取ります。
あなたの人柄や性格は既に社内で話し合われています。

何度も断っているにも関わらず、しつこくコンタクトしてきますよね。
時折機嫌を取りながら、嫌な話を何回も繰り返しますよね。

意図的にあなたの心を疲弊させにきています
営業マンは、そのためにも日頃からいい人だと思われるように演じています。
あるいは、素直で癖のない子を担当に据えておいて、後ろで上司がしっかりコントロールしています。

相手からすると気まずいと思ってくれるのは都合がいいということを頭に入れておいてください
真正面から心にダメージを受ける必要はありません。感情の起伏は思考も鈍らせます。

いま解約しなければ今後も悩みつづけることになる

当たり前ですが、放置しても問題は解決に向かわず、その後もずっとあなたを追いかけてきます。

非合理的な状況を放置して、損してもいいと完全に割り切れるならいいです。
ただ、利益が出ているときは何も思わなくても、損失が出るとどうしても気になってしまうのが人間です。

資産運用において、一度も損しないということは余程の超人でもない限りあり得ません。
一時的にせよ損失が出ている時ほど、納得の上で判断した」ということが心の安定になり、正しい判断を継続するためのベースになります。

心に引っ掛かりがある非合理的な運用資産は、事あるごとにその主の心の平穏を乱します
金額が大きいほどに、心が疲弊し、日常生活に影響することもあります。

嫌なことであっても、資産運用においては、いま逃げることは、割に合いません

まとめ:証券会社が解約させてくれないときの対処法

証券会社が解約させてくれないときの方法をまとめます。

  • 証券会社で解約する方法は主に3つ。まずはできる方法でトライ
  • 解約すべきか分からなくなってしまった時は、理由を紙に書き出す
  • 営業マンと揉めるのが嫌という人は、それが相手の作戦、問題から逃げると繰り返すことを知っておく

上記の点に注意して、家族と自分ために勇気を持つことが大事です。

そして、同じ問題を繰り返さないために、今後はどうしていくべきか
方法は人によって違います。

①自分の判断をメインでやっていくベテラン:営業マンの雑音のないネット証券で運用。
日本で初めてネット取引を世に広めた「元祖ネット証券」松井証券がおすすめです。
トレードデータなどが豊富でさすが個人投資家理解が深い。パソコン苦手でも操作もすぐ慣れます。

②自信が持てない。やはり対面アドバイザーも欲しい人:勉強して自信をつけましょう。
そうすることで営業マンとの会話も一方的に売り込まれるものから「ディスカッション」に進化します。
⇒「株式投資の勉強はこれを繰り返せ。難しい方法論より基本のサイクル化」でやるべきことを絞ってまとめています。投信メインの人もこれでOK。投資の基本は株です。

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