株をやるなら日経新聞は必須のツールです。
日経を読まないことには、世の中の流れも分からないし、業界や個別銘柄の動向・方向性も分かりません。
ですが、慣れていないと読みづらいのも事実。
株をはじめた当初はやる気満々だったけど3日で挫折した。
どこ読めばいいか分からないし、読むのに半日かかるわ。
このように挫折する人も非常に多いです。
日経は何も知らずに読み始めるとツラいし、続かないです。
日経新聞の読み方には「型」があります。
闇雲に読んでもすぐに嫌になって続きません。
日経新聞と向き合うには、ある程度の「型」を身に付けて、継続するための基礎をつくってください。
- 株初心者で日経新聞を読めるようになりたい人
- 日経新聞を読み始めたが挫折した人
- 日経新聞を読めと言われている新社会人の人
本記事は、日経「朝刊」を対象にしていますので、夕刊にはあてはまりません。
日経新聞が読みにくい理由
日経新聞が読みにくく、挫折しやすいのには理由があります。
どの新聞にも言えることではありますが、日経新聞はよりその特徴が濃いです。
普段目にしない言葉がびっしり。小難しい
初心者に嫌がられる一番の理由が、パッと見から難しくて頭が痛くなりそうなことです。
政府の経済対策方針とか、日銀の金融政策とか、原発の再稼働だとか・・・普通に生活している分には知らなくも困らないし、字面を見ただけで疲れる人もいるでしょう。
日経新聞は、小難しい言葉のデパートです。
見出しから小難しく、記事内容も細かい字でびっしり書いてあります。
一般紙と比べて貰えれば分かりますが、日経は目が疲れるほどにぎっしりです。
記事を読んでも分からない
小難しそうなのを堪えて読んでみても、内容がわからないというのも日経初心者あるあるです。
日本経済新聞というだけあって、取り扱う内容は経済へのインパクトが大きいものが優先されています。
一般紙のように、社会的なニュースやスポーツがバランスよくちりばめられているものではありません。
景気や企業業績であるとか、株価、金利など経済ネタがほとんどです。
新聞で言うのもなんですが、初学者にはキツいです。
ベースとなる筋力がついてくるまでは我慢が必要となります。
日経新聞を読むための心構え
「ニッケイ」を読めるようになるために、持っておいて欲しい「意識」があります。
挫折しないために、とてもとても重要なポイントですので、これだけは忘れないでください。
継続は力なり
いきなり根性論・・・と思われるかも知れません。
ですが、これが一番大事です。
日経新聞のネタは続きものです。
一話完結型ではなく、連続ドラマを見ていると思ってください。
毎日、毎日話が続いていく。NHK朝の連続テレビ小説のようなものです。
一話見逃した程度であれば、追いつけますが、三話、四話見ていないと話が分からずつまらなくなります。
はじめは、途中から連ドラを見始めるようなものなので面白くありません。
ですが、分かってくるに従って、だんだん面白くなってきます。
続ける方法は、こちらを参考にしてください。
分からない内容があっても気にしない
はじめは分からないネタだらけです。
だけど、ここで自分には無理だと思わないでください。
分からなくても気にしなくて結構です。
分からない言葉があれば、少しづつ調べていけばOKですし、毎日読むことで自然と分かってくることも多いです。
調べるのも少しづつで結構。
あれもこれも調べていたら毎日何時間もかかって嫌になります。
とにかく、分からなくても気にせず前に進みましょう。
新聞は朝読む
朝読むというのも大事です。
朝に読むべき理由は二つ。
- 朝は大量の文字を短時間で読める
- 一日の中で朝は脳の動きがよく集中しやすいです。時間が経つと頭に削りかすが溜まって重くなります。脳のメモリが空いているうちに読んでください。
- 情報が新鮮なうちに取り込む
- あくまで新聞ですから新しい情報を入手するものです。報じられた情報をベースにその日一日経済が回ります。
- 株式市場が情報に反応します。一瞬のうちに株価に織り込んでいきます。寄付前に読んで情報の消化を見届けてください。
- 初物ネタほど腐りやすい生モノです。特に株の世界ではあっという間に古くなります。
日経新聞の構成
それでは、ここから実践編です。
まずは日経新聞の構成・つくりを把握しましょう。
カテゴリごとにページが分かれている
日経新聞全体はおおよそ下記のカテゴリで構成されています。
主なところをピックしていますので、こうしたものが前から順に載っているイメージを持ってください。
それぞれのカテゴリのページ数は、一面を除いてその日のネタの数で少しづつ変わります。
- 「1面」:その日のメイン3~4記事
- 「総合」:一面記事の詳細やその他大きな記事
- 「オピニオン」:コメンテーターの見解
- 「国際」:グローバルの主要ニュース
- 「企業」:個別企業にフォーカスした記事
- 「投資情報」:上場企業の決算記事が中心。個別企業の簡単分析記事等も掲載
- 「マーケット総合」:前日の株式市場動向、金利、為替、マーケットのトピック等
- 「商品」:金・銀・銅・プラチナ等貴金属相場、穀物相場、化学原料市況、不動産市況などを掲載
カテゴリは、下記赤枠のように新聞の左上にページ数(面)と併記で書いてあります。
細かく言うと、この他にもページはありますが、基本的には見なくていいと思います。
地域経済、社会、スポーツ、読書、まなび等々少し柔らかいものがありますが、別に日経で読むようなものでもないでしょう。
これらは「商品」より後ろのページになります。
やや乱暴な言い方になりますが、「商品」欄までめくったら後は放置して結構です。
但し、地域に密接に関わってビジネスをする人は地域経済面を読む必要があるでしょうし、「企業」欄には大企業人事が掲載されるので取引先との関わりでチェックする人もいます。
こうした理由を除いては、これらを見る必要はないですし、投資とも関わりません。
記事の構成
次に記事のつくりを紹介します。
簡単なことですが、雑に目に入れずにこのように分かれていることを覚えておいてください。
見出し
記事のタイトルです。
説明不要かと思いますが、これが結論であり、新聞が伝えたいことそのものです。
横に小見出しが付くことも多いです。
見出しでその記事を読むか捨てるか決めますね。
リード
見出しのすぐ横にに3-5行程度の文章が載ります。
リードは、内容の要約・サマリーです。
大きな記事になるとリードがつくことが多いです。
下記の赤枠で囲った部分がリードです。
本文
本文で内容の詳細が伝えられます。
大きな記事だと半ページ使うほど長くなりますし、小さな記事であれば、リードより少し多いくらいのボリュームですぐに読めてしまいます。
グラフ・図
大きな記事になると、グラフや図が付されていることも多いです。
比較的大事な記事に付いてくることが多く、グラフ付きの記事は皆見ています。
日経新聞の読むべき箇所
日経新聞は、全部生真面目に読んでいると4時間かかると言われます。
ただ、趣味で全部読みたい場合を除いては、見るべき箇所は絞れます。
むしろ、ポイントを絞ってそこをしっかり押さえましょう。
毎日確実にチェックしたい欄
毎日読んで欲しい欄はこちらです。
- 1面:トップ記事は必ず。他の記事も目を通す。
- 3面:1面記事の解説が載ることが多い。重要記事を確り理解
- 「総合」・「企業」欄の一部:取捨選択が必要だが、始めは各ページの一番大きな記事だけ読む
- 「投資情報」欄:2ページ程度あるが出来るだけ全部。株価も併せてチェックするとなお良し
- 「マーケット総合」欄:最低限株式市況解説とスクランブルのコーナー。出来れば全主要記事+東証一部の数値データ
- 「商品」欄:出来れば全記事。金、銅市況系、不動産市況系、半導体市況系記事。出来れば全記事
ここまで読めれば十分。
毎日これを頭に入れて株を見ていれば相場も見えるようになってきます。
新入社員であれば、こいつ分かってるなと思われます。
他は捨てて結構です。
ここまでは読みこなせるようになり、記事の取捨選択ができるようになってから読みましょう。
これを目指す形と定め、毎日できる範囲で取り組んでいきましょう。
しんどかったら読まなくてもいいから、頭から商品欄までめくって見出しだけ眺めてください。
新聞を手に取らない日ができるより、少なくとも触っているほうが100倍いいです。
時間がないときでもここだけおさえる箇所
朝から忙しくて、時間がないときもありますよね。
そういう時は、時短コースで以下だけ読んでください。
上段でリードを紹介していますが、時間ない時ほど便利に使えます。
毎日だとサボり癖がつくので忙しい日だけです。
- 1面のエッセンス:トップ記事のリード。その他記事の結論部分だけ(大抵初めの数行)
- 3面のエッセンス:大きな記事のリード
- 「総合」「企業」欄:大きな記事のリード。気になる銘柄や関心分の記事だけ
- 「投資情報」欄:一番大きな記事2つくらい。気になる銘柄の記事
- 「マーケット総合」欄:前日の株式市況解説。大きな記事のリード
必須ではないが読むと深みがでる箇所
読まなくて困ることはありませんが、日経愛読者のたしなみといいますか・・・読むと深みが出てくるコーナーです。
味のある勉強ができますし、ビジネスマンが話題にする大人の雑談ネタになります。
大機小機
「マーケット総合」欄の見開き左側ページの一番左上の記事です。
最近の政治経済であるとかマーケットを題材に、記者が苦言風の提言を書くコーナーになります。
示唆に富む風刺が刺激を与えてくれるようなコーナーです。
読むほどに味わい深さが分かってきますよ。
この面白さが分かってくるとちょっとした経済ツウです。
マーケット総合2欄の左上が定位置です。
私の履歴書
日経新聞の最終ページの左上に記載があります。
著名人の人生を毎日連載でつづります。
幼少期からはじまり、青年期の活躍や苦労話が描かれ、大物になってからの思いまで、著者が生きてきた歴史そのものが書かれています。
著者は大企業経営者や政治家等に限らず、音楽家や俳優、スポーツ選手、作家等々幅広いです。
ドラマ性を楽しめるだけでなく、その人が生きてきた時代背景などもリアルに伝わってきて、いい勉強になります。
日経を後ろから見るとすぐ目に飛び込んできます。
ちなみに、2021年5月1日の私の履歴書は、吉行和子さんです。
きょうのことば
こちらは、日経3面の一番左下にあるコーナーです。
その日の記事に出てくる「用語」をひとつ解説してくれます。
特に読み始めて最初のうちは、知らないことばだらけでしょうし、このコーナーは大変役に立ちます。
時代は凄いスピードで流れていきますので、すぐに新しいことばが登場します。
知らないことばやおさらいしたいことばは、ここでおさらいしておきましょう。
私は、昔日経新聞社の方に読み方を教えていただいた際に、「きょうのことば」を毎日スクラップする人もいると聞いたことがあります。
毎日一語覚えるだけでも随分もの知りになると思いますよ。
読むのにかかる時間
読みなれてくると上記の確実にチェックしたい欄が大体40分くらいで読みこなせるようになります。
私は、電車の中で読むことも多いですが、ほぼこのくらいの時間で読めます。
ただ、はじめは納得いくまで読もうとすると2-3時間かかることもありました。
知らない言葉をネットで調べたりしながら読むともっとかかります。
無理に張り切ることはありませんが、毎日つづけることで少しづつ進化していくものです。
日経新聞を毎日読むメリット
世の中は知っていることが増えると見え方が変わります。
株式投資をやったり、ビジネスの世界で生きるなら尚更です。
日経新聞を読むことの主な利点を整理すると、
- 日経新聞は、毎日の最新重要ニュースが網羅されており、効率よく理解できる
- 株式、金融情報が厚く、相場が始まる前の情報整理にぴったり
- 経済を動かす重要ワードが毎日刷り込まれるので自然と投資脳、ビジネス脳ができる
などが言えます。
活字慣れしていない人だと、日経で鍛えられてものを読むことも苦にならなくなりそうですね。
日経新聞は、投資家、第一線のビジネスマンとしては入口、基本的なものですが、それだけにおろそかにできません。
日経初心者の方であれば、3ケ月でも毎日読めば全く違う自分になれますよ。
書籍でも勉強するといいです。
電子版も使えますよ。
併せて読みたい>>>
株の勉強メニューはこれに集中⇒「株式投資の勉強はこれを繰り返せ。難しい方法論より基本のサイクル化」
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