株式やFXをやるにあたって、経済指標をチェックすることは必須です。
しかし、経済指標の数はかなり多いです。
経験の少ない投資家や長年やっていても我流になっている人は、経済指標に関するニュースなどを見ても相場の把握に落とし込めていないのではないでしょうか。
どの経済指標をみたらいいか分からない。
どれをみたらいいのか分からない。
という疑問を解決します。
投資をやるには、これを見ておけば十分という経済指標を網羅してお伝えします。
目次
見るべき経済指標5選
見るべき指標とスケジュール感
意識的に追いかけて欲しい経済指標・イベントは5つです。
- 米国雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)。毎月第一金曜日
- ISM製造業景況感指数。毎月第一営業日
- FOMC(連邦公開市場委員会)。年8回
- 日銀金融政策決定会合。年8回
- 国内四半期GDP速報。年6回
米国雇用統計
米国の指標ですが、日本株式市場においても最重要指標といっても過言ではありません。
為替においては、ドルに直接作用するので尚更重要です。
米国労働省から発表されるアメリカの雇用の状況を表す指標です。
米国の中央銀行であるFRB(Federal Reserve Bank)の目的は、「物価の安定」と「雇用の最大化」です。
雇用統計はまさに後者の雇用をウォッチしているものですし、雇用の盛り上がりは景気・物価にも通じます。
即ち、雇用統計はFRBが気にしている指標そのものであり、金融政策の舵取りに大きく影響します。
雇用統計には、非農業部門雇用者数と失業率の2つの数字をおさえてください。
米国雇用統計は、毎月第一金曜日に発表されますので、くれぐれもよく覚えておいてください。
日本では翌土曜日の日経新聞朝刊で記事になります。
参考記事>【日経新聞の読み方】株・資産運用の基礎ができる。10年超毎日読む金融マンが分かりやすく解説
非農業部門雇用者数(前月比)
読んで字の如く農業部門以外の雇用者数です。
前月比○○万人増加というところがフォーカスされ、最大のポイントです。
2021年現在は、コロナ禍からの立ち直り過程でかなり高い数字が出やすいですが、
ベースとしては、+20万人が目線になることが多いです。
事前に市場予想が出ますので、雇用統計発表前には検索して欲しいです。
また、雇用統計の2営業日前にADP雇用統計というものが発表されます。
給与計算代行サービス会社のADP(オートマチック・データ・プロセッシング)が算定したデータであり、労働省の雇用統計を占うデータです。さながら前哨戦ですね。
雇用統計発表前には、市場予想やADP雇用統計でハードルができており、これを超えてくるか否かが市場の反応に影響します。
強い数字が出て、好景気を評価して株高、ドル高となるのか。
はたまた、それを利上げが近いと見られ市場心理が冷えて株安・ドル安となるのか。
その時々の状況と併せて、期待値を把握していくことが大切です。
失業率
これも非農業部門雇用者数と並んで注目されます。
労働力人口に占める失業者の割合です。
前月に比べて、低下しているかどうかを確認します。
米国は、日本と違って継続的な雇用が定着しておらず、景気の浮沈で働く人の数が変動する傾向があります。こちらも景況感を表すもので、非農業部門雇用者数と併せてチェックしておきたい指標です。
ISM製造業景況感指数
米国の製造業へのアンケート調査をもとに景気の温度感を指数化したものです。
アンケート調査というのが肝で、現場である製造業が感じている景気の良し悪し、先行きの感覚を拾ってきます。
雇用統計などのデータが実数でかっちり出てくるハードの指標であるのに対して、ISM製造業景況感指数はソフトの指標です。
雇用統計やGDPの数値に先行する傾向があり、製造業現場のセンチメントを測ります。
ISMというのは、Institute for Supply Managementの略で 全米供給管理協会のことをいいます。
受注、生産、雇用、入荷状況、在庫などの項目から算出します。
50を超えると景気拡大、下回ると景気後退局面となります。
これも単純に強い数字が出ればいいということではなく、強すぎると利上げ警戒など、時々の状況を把握しながら捉えることが大切です。
FOMC(連邦公開市場委員会)の方針
これはもうFRBの方針そのもの。米国の金融政策を決める会議ですね。
FRBの決定を想定するために経済指標を見ている側面も強いので、ある意味答え合わせのようなものです。
1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の8回開催が基本パターンです。
開催月の中旬頃に、2日間に渡って行われ最終日に決定方針が発表されます。
金利の上げ下げや量的緩和の増減、コロナ対策などなど、金融政策方針が包括的に決められます。
将来の金利水準やイールドカーブを意識したは発言も多く、要チェックです。
市場は、直前までに各種指標やニュースなどから方針を織り込んだり、FRBサイドもヒントを示して市場の動揺を抑えるコミュニケーションをしますが、想定とのギャップが出たときなどはマーケットも大きく反応してきます。
参考記事>【株価暴落のメカニズム】バーナンキ・ショックが教えてくれる突発的株価下落の理由
日銀金融政策決定会合の方針
日銀の金融政策方針が決められます。
グローバル景気やFRBの判断等からも影響を受けますが、日本の金融政策運営はここで決定されます。
1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の8回開催がFOMCと同じく基本パターンです。
日銀決定会合も開催月中旬頃に2日間開催、最終日に決定方針公表のスケジュールです。
これもFOMCと同じですね。
うち4月、10月の会合では、展望リポートが示され、より詳細な展望が述べられます。
金利の上げ下げ、量的緩和のボリュームが基本確認事項になりますし、
日本特有の政策として、ETF買入れの方針や社債買い入れオペなども注目点になります。
国内四半期GDP速報
内閣府より年6回四半期GDP速報値が発表されます。
GDPすなわちその年の日本の経済規模です。
成長率によって、景気がいいか悪いかが見えてきますね。
3ヶ月ごとの速報なので、そこから4四半期分を想定すると年間の目線が見えてきます。
日本は海外と比べて金利水準が潰れていますし、利上げからの距離も遠いので、強い数字が出るとマーケットから素直にポジティブに捉えられることが多い印象です。
発表スケジュールは以下の通りです。
- 4-6月期一次速報:8月中旬
4-6月期二次速報:9月上旬 - 7-9月期一次速報:11月中旬
- 7-9月期二次速報:12月上旬
- 10-12月期一次速報:2月中旬
- 10-12月期二次速報:3月上旬
経済指標を楽に確認できるサイト
それぞれ発表元で、説明リリース付で確認するのが好ましいです。
当然、無料ですので。
しかし、やや面倒なのも事実。ヘッドラインだけをサクッと見たいものです。
Investing.comで網羅的に確認できるので便利です。
紹介した指標だけでなく、細かな指標まで網羅されています。もちろん全部見る必要なしですが。
また、基本ですが、やはり投資をやっている人は日経新聞の購読が必須です。
ここで報じられるので最低でも翌朝にはキャッチアップできます。
まだ購読してない人は、すぐに申し込みましょう。
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