株式投資の基本的なリスクを紹介します。
投資初心者にとって必要なことを十分に解説している本やウェブページが非常に少ないです。
この記事を読めば、リスクの意味が十分に理解できて、避けるべき株が分かるというのをコンセプトにまとめました。
このような人の悩みにフォーカスしています。
- 株式投資初心者で取引の度にドキドキしている人
- 株をやったことがないけど関心のある人
- 我流で投資をやってきたが基本に立ち返りたい人
目次
株価変動のリスク
株価変動は、リターンの源泉になると同時にリスクでもあります。
株価が動く主な要因を認識しておきましょう。
ここでは、「リスク=株価変動の大きさ」と定義します。(ファイナンス理論に基づきます。)
チャンスとリスクは、まさに表裏一体です。
外部環境リスク
外部環境の変化によって、株式市場全体が影響を受けます。
- 各国の政策
- 地政学リスク
- 日銀・FRBなど中央銀行の金融政策
- 原油価格や穀物価格などの大きな変動
- リーマンショックやコロナウイルスなどの世界的クライシス
などなど・・・。
世の中の動きによって、あなたが保有している銘柄だけでなく、株式市場全体が大きく影響を受けます。
業績変動リスク
企業業績は、株価形成において最も根本的な要因です。
基本的に、あなたが保有している銘柄の株価は、どのような業績が想定されるかによって形成されると考えてください。
業績が伸びれば、株価を押し上げる要因になりますし、低迷すれば下げる原因になります。
また、業績が市場の期待を上回ったか下回ったかという点も重要です。
コーポレートアクションのリスク
コーポレートアクションとは、企業の意思決定、自発的な行動を指します。
株価にプラスに働く場合もあれば、逆もあります。
- 増資や株式の売り出し
- 株式分割
- 株式併合
- 株式交換
- 買収・合併(M&A)
株を保有している企業がこうしたアクションをとることによって、株価は影響を受けます。
流動性リスク
流動性とは、売買のしやすさです。
株を売りたい時には、買い手がいてこそ売却が成立します。買う時も同様です。
一日の売買代金が、1,000万円の株、1億円の株、10億円の株・・・と様々ですが、このボリュームが大きい銘柄ほど売買がしやすい(売買相手に当たりやすい)です。
売買代金上位銘柄は、200-300億円以上、500億円、日によっては1,000億円以上になります。
逆に小さい銘柄は、数百万円程度のものもあります。
流動性リスクとは、売りたい時に売れない、買いたい時に買えないリスクと言えます。
株価変動について理解が深まる記事>株価の変動要因。基本型を頭に入れると推測できる。実践的に解説
破綻・上場廃止のリスク
業績悪化が続き破綻に至る
あくまで最悪のケースですが、保有している銘柄が破綻した場合、株は紙くずになります。
これは債券でも同じことですね。
ただ、破綻・上場廃止基準に抵触するような銘柄は、見分けられます。
何年も赤字が続いていたり、自己資本が少なかったり、多くの場合は流動性もほとんどありません。
下記でも説明しますが、こういった株には手を出さないようにしましょう。
買ってはいけないハイリスク株
流動性の低い銘柄
流動性の低い銘柄は、よほど魅力的で他の3,700銘柄が目に入らないということでもない限り避けましょう。
具体的には、一日の売買代金が1,000万円以下の銘柄は避けましょう。
流動性の低い銘柄は、売りたい時に売れないだけでなく、取引量が少ないのでちょっとしたことで株価がブレます。
とある個人投資家が少し売り買いしただけで、簡単に上下します。
株価は、ある程度の売り買いがぶつかり合うことで理論的な形成がなされます。
業績や将来性と関係なく株価が動いてしまっては、どんな天才でも予想のしようがありません。
その意味でも流動性の低い銘柄は、避けてください。
流動性の低い銘柄は、時価総額の小さい銘柄でもあることが殆どです。
時価総額で言うなら、100億円に満たない銘柄は要注意です。
企業の継続性にリスクがある銘柄
企業の継続性にリスクがある・・・簡単に言うなら、いつか潰れるんじゃないかという銘柄です。
当然ながら、手を出してはいけません。
これらは証券取引所のルールとして、一定の基準に該当すると企業自らが公表しなければならないことになっています。
投資家が見抜かなくてもご丁寧に教えてくれている訳です。
ただ、個人投資家の皆さんがイチイチ決算書類を見て確認するのは大変。
そこで使えるのが会社四季報。
「企業の継続性にリスクがある銘柄」を一覧でリストアップしてくれています。
誰でも一目でチェックできますし、四季報の個別銘柄のページにも記述されています。
覚える必要はないですが、企業の継続性をゴーイングコンサーンと言い、永続していく組織であると定義されています。
また、企業の決算書(決算短信)には、「継続企業の前提に関する重要事象等」、「継続企業の前提に関する注記」として記載されます。知ってて損はないですが・・マメ知識ということで。。
危険牌を見分けることはもちろん、四季報はとても万能です。
投資するなら必ず買っておきましょう。
四季報を持っていない投資家は、グローブを持っていない野球選手と同じです。
たった2,300円で致命的な失敗が避けられます。今すぐ注文しましょう。
四季報を使ってレベルアップしたい人はこちらも読んでください>四季報からの銘柄探し。読み方の基本から活用術を完全ガイド
赤字が続いている銘柄
毎期赤字が続いている銘柄にも注意してください。
赤字が続いた分だけ、自己資本が減少していき上場廃止基準に近づいてしまいます。
特に小さい会社の場合に要注意です。
これも四季報の各銘柄のページで一目瞭然です。
低リスクで保有しやすい株
安定している株の特徴
買ってはいけない株とは逆に、比較的保有しやすい株もあります。
そういった銘柄の特徴を列挙しますね。
ただ、絶対株価が下がらないというものではないので、そこはご了承ください。
あくまで特性として捉えてください。
- 流動性が高い
- 業績が安定していて浮き沈みが小さい
- 自己資本比率が高い
- PER、PBRが低い業種
- 配当が安定している
こういった特徴の銘柄は、株価の変動が小さくて、毎期安定した配当が得られるので資産株としてうってつけです。もちろん上場廃止基準に抵触するリスクも低いです。
但し、その分、株価上昇でダイナミックに儲けることには向いていません。
ハイリスク・ハイリターンな株
ハイリスク銘柄の特徴
上述した買ってはいけない株と若干似ていますが、ハイリスクハイリターンな株の特徴を列挙します。
危険な橋を渡った分、短期間で濡れ手に粟ということも不可能ではありません。
おすすめはしませんが、敢えて特徴のみ紹介します。
むしろ、こういったリスクを最小限にコントロールしながらリターンを得るのがプロだと思っております・・。まあ、その意味ではこういうエッセンスを少し加えた銘柄選別もいいでしょう。
- 時価総額、流動性が低い
- 業績変動が激しい
- 赤字の期が多いが、大化けする可能性がある
こういった銘柄は、マザーズやジャスダックに多いですね。
市場再編後でいうと、グロース市場に多くなるでしょう。
市場再編について知りたい人はこちら>【東証新市場区分をガイド】市場再編の全容とスケジュール(2021年1月時点)。東証一部はプライム市場に
こうしたリスクを認識した上で、株の勉強を続けていけば着実にレベルアップします。
無料で口座開設して、気になる銘柄の動きや市場を観察することから始めてみましょう。
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また、何を勉強していいかイマイチ分からない人。
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株式投資の勉強はこれを繰り返せ。難しい方法論より基本のサイクル化
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