会社四季報読み込みのメリット。読破率に比例して得られるもの

株式投資

会社四季報は、株のカタログで終わらせるには惜しい書です。
読み込むことによって、大きな効果を発揮します。

ただ、四季報の厚さ文字の細かさをみると、読もうという気になりにくいですよね。
時間、労力を投入して読み込んだ結果、無駄だったらどうしようと思いますし。

そこで四季報を読破した経験から、読み込みのメリット・得られるものをお伝えします。
これらが得たいと思う人は、読み込みにチャレンジしてみてください。

また、四季報の読み方・銘柄探しのやり方はこちらの記事で紹介しています。
四季報からの銘柄探し。読み方の基本から活用術を完全ガイド

四季報を通じて世の中が見えてくる

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四季報を読み込むと、世の中の見え方が変わってきます
より立体的に見えるというんでしょうか。

このような視点を組み合わせて、持つことができるようになります。

  • 鳥の目:全体を俯瞰的に見る目。鳥が空から地上を眺めるように。
  • 魚の目:世の中の流れや状況変化を見る目。魚が川の流れに合わせて泳ぐように。
  • 虫の目:細かな視点で変化を見る目。虫が小さな変化を等身大に捉えるように。

業界ごとの動向が俯瞰できる

四季報は、銘柄コード順に1000番台から9000番台までで概ね業種ごとに纏められています。

通しで読んでいくことによって、複数の銘柄にその業界に共通する課題やトレンドが書かれていることに気付きます。
業績の良し悪しも銘柄間の差はあれど、業種によって大体同じ方向を向いています

例えば、1000番台を読み込めば、建設業界の動向が頭に入ってきますし、2000番台では食料品業界の動きが分かります。

上場銘柄は、その業界を代表する企業ですから、これらを纏めてチェックすることで自分の中に業界地図をイメージすることができるのです。

特定の番台を読めばその業界が1000番台から9000番台まで通しで読み込めば、日本経済の全体像を思い描くことができます

 

業界動向を俯瞰することで鳥の目が養えます。

日本経済を動かすテーマ・キーワードが見えてくる

四季報には、各銘柄のコメント欄に【見出し】が付されています。

下記、四季報見本の③業績記事・材料記事の箇所を見てください
【独自増額】、【増産】と書かれているのが見出しです。

この見出しを見ていくことで、その銘柄の好不調だけでなく、経済全体のトレンドが感じ取れます

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会社四季報「3分で分かる四季報の読み方」より引用

見出しには各銘柄ごとのポイントが書かれているのですが、競合他社や業界で似てくることが多いですし、ビッグテーマになると業界を跨ぎます

今来期の業績に関わる見出しでは、下記のようなものが多いです。

  • 最高益
  • 続伸
  • 反発
  • 反落
  • 続落
  • 大幅減益

これらの登場頻度を意識するだけでも、方向感がつかめてきます
毎号巻頭には「見出しランキング」もあり、過去の号と比較されていて、全体の業績トレンドを推して知ることができます。

また、その時々のテーマも見出しに登場してきます。
例えば、下記のような見出しです。

  • AI
  • コロナ
  • ワクチン
  • テイクアウト
  • IOT
  • 万博

パッと見るだけで、企業が何を意識しているのか、影響されているのかが分かりますよね。
これらも似通った見出しもパラパラ出てきますし、業界内で多かったり、業界を跨いで出てきたりと色々です。

時代を読み解くキーワードそのものですし、四季報の各ページは個別企業にフォーカスしたものですから新聞や雑誌で見るのとは違うリアリティがあります。

四季報のページをめくりながら、時流を把握していきます。

 

世の中のトレンドを把握することで魚の目が養えますね!

街のいたるところが気になって見えてくる

業界動向やテーマ・キーワードに意識が向くと、毎日触れるニュースの感じ方が変わってきます。ひとつ一つの情報は、自分の中にある知識や経験によって消化のされかたが違います。

街を歩いていても、四季報でチェックした上場企業があることに気付くでしょうし、そう言えばあの会社にはこんなテーマがあったな・・・。と思い出すことも増えてきます。

また、上場企業のトレンドが頭に入っていると、同じ業界の中堅・中小企業を見る上でも予備知識があります

逆に、コロナ禍が和らいで街に活気が戻ったのを感じて、あの外食銘柄はそろそろ買いかも知れないなどとピンとくるようにもなると思います。

 

アンテナが鋭くなった感覚。

株式投資の銘柄発掘に威力を発揮

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会社四季報は、いわずもがな株の本ですから、投資に役立つことは間違いないでしょう。
上場銘柄総ざらいの威力は、やはり強力です。

一銘柄づつチェック。まさに虫の目ですね。

隠れた有望銘柄に出会う

読破したり、一定のボリューム読み込むと、当然ながら多くの銘柄を通過します。
銘柄発掘をする上では、全部見てしまうのが最強です。

中小型株については、機関投資家の調査が行き届いていない銘柄が沢山あります。
四季報の情報は最新ではないですが、それでも中小型株については株価に織り込まれていない点が多く残されています

数ヶ月かけて注目されそうな銘柄、次の決算でサプライズが出そうな銘柄、将来的に株価10倍になりそうなテンバガー銘柄など、隠れた有望銘柄が見つかることも多いです。

読んでいるうちに自分の感覚も磨かれてきて、最初は気付かなかったポイントにも反応できるようにもなってきます。

全部見るっていうのは、シンプルだけど強いです。

大きな流れの前兆となる小さな変化に気付く

多くの銘柄に触れていくなかで、小さな変化もたくさんあります。

例えば、中小型株銘柄の【見出し】に書かれていたワードが、翌年には大きなテーマになっていたり、1、2社の不祥事が業界全体を揺るがす大問題に発展したりすることもあります。

そうした変化の初動にいち早く気付くことができれば、大きな利益を生み出す可能性も高いでしょう。

虫の目があるからこそ、見えるものです。

ビジネスの成果向上にもつながる

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四季報の読み込みの効果は、株式投資に限りません。
ビジネスにも活きてきます。

幅広い知識が信頼につながる

多くの業界に関する幅広い知識を得ることで、ビジネス議論の質・量も高まることが考えられます。現代においては、業界を跨いだ提携も多いですし、取引先の幅を広げていくことにも繋がります。

例えば、

本業と違う分野の企業を買収したい。まずは四季報を使ってリストアップしよう。あ、そういえばあの会社は技術が売りだけど財務が弱かったな・・・。

とか

あの会社は業界が違って付き合いがないけど、特定のテーマで業績を伸ばしている。もしかして、自社製品にもニーズがあるのでは。

ということに気付けたりします。

一度そういうことがあると特定の仕事で頼られたり、広い知識を持っていると思われると、初期段階での相談相手に指名されやすいです。

どんな仕事の人でも、こういった相談が増えればビジネスチャンスが拡大しますし、色んなことに関わっているうちにナレッジも蓄積されていきます。

四季報は、ビジネスの飛躍にも一役買うかも知れません。

話題が広がり人脈づくりのきっかけになる

直接、具体的な仕事にならない場合でも人脈づくりにつながることもあるでしょう。

多くの人は、自身の仕事のことに知識が偏ってしまいがちです。
多趣味な人は色んなことを知っていると思いますが、それでも他業種のことまで知っている人はなかなかいないでしょう。

大まかにでも他業界のことを知っていると、その道の人とビジネスの話しができます
細かいことまで知らなくても、入口の知識があれば会話は切り出せます。
あとは、教えて貰えばいいんです。

共通点のない人と他愛のない話しではなく、ビジネスの話しができるとヒントも貰えるでしょうし、生産的な関係がつくりやすいですよね。

四季報読み込みのデメリット

四季報読み込みのメリットばかり述べましたが、デメリットにも触れておきたいと思います。

 

うーん、時間かかるな・・・。あと、目が疲れる。

これが最大のデメリット。
だけど、これだけです。

ちなみに時間は、

  • 読破すると1-2日
  • ボリュームが少ない1000番台だと2-3時間

くらいかかります。

ただ、これは個人差やチェックする箇所数にもよるので、まちまちです。

私は、初めて読破したときは4-5日かかりました。
確かある年の正月にやりました。夜は疲れて読むのやめて、お酒のんでましたね・・・。

早い人は、めっちゃ早いですし、慣れればタイムも短縮してきます。

以上、四季報読み込みで得られるものの紹介でした。

会社四季報をまだ持っていない人はすぐに買っちゃいましょう。
わずか2,300円でこれだけ勉強になる。コスパ・リターン最強の書です。

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