2021年末のテンバガー銘柄。東証一部12銘柄の特徴を分析

株式投資

夢のテンバガー銘柄。
2017年1月初から2021年末(12月23日)までの期間に株価10倍以上の上昇を実現した銘柄を分析します。

特徴を捉えることで、次に化ける銘柄を探すヒントになればと思います。

2021年末のテンバガー銘柄

2017年年初から2021年クリスマス直前12月23日までに株価10倍超に達した銘柄をリストアップしました。東証一部銘柄のみを集計しています。
下記、銘柄の横は同期間の株価上昇率です。

  1. (6920)レーザーテック 5,814%
  2. (6532)ベイカレント 5,313%
  3. (3923)ラクス 1,983%
  4. (2471)エスプール 1,876%
  5. (3697)SHIFT 1,828%
  6. (6254)野村マイクロサイエンス 1,537%
  7. (6564)ミダックHD 1,440%
  8. (6095)メドピア 1,412%
  9. (2491)Vコマース 1,281%
  10. (6966)三井ハイテック 1,133%
  11. (3150)グリムス 1,061%
  12. (6035)アイ・アールジャパン 1,050%

2021年テンバガー銘柄の特徴

業種・テーマ性

下記にテンバガー各社の主な事業を列挙します。

  1. レーザーテック:半導体マスク検査装置
  2. ベイカレント:コンサルティング。デジタル技術活用
  3. ラクス:クラウドシステム。IT人材派遣
  4. エスプール:コールセンター等への人材派遣。障害者雇用支援
  5. SHIFT:ソフトウェアテスト受託
  6. 野村マイクロサイエンス:超純水装置
  7. ミダックHD:産業廃棄物の処置・管理
  8. メドピア:医師向け情報サイト運営
  9. Vコマース:アフィリエイト広告
  10. 三井ハイテック:ICリードフレーム、自動車家電向けモーターコア
  11. グリムス:中小製造業などへの電力料金削減
  12. アイ・アールジャパン:企業向けSR(株主情報)に特化したコンサル業務

社会的に課題となっていたり、盛り上がっている、いくつかのテーマを軸にカラーが分かれます。

半導体関連デジタル技術(DX)人手不足インフレ・エココーポレート・ガバナンス改革、あたりが見えてくるテーマです。
テーマに銘柄を当てはめると、下記のようになります。

  • 半導体関連:レーザーテック、野村マイクロサイエンス(半導体製造向け超純水)、三井ハイテック
  • デジタル技術(DX):ベイカレント、ラクス、SHIFT、メドピア、
  • 人手不足:ラクス、エスプール
  • インフレ・エコ:グリムス(電力代高騰)
  • コーポレート・ガバナンス改革:アイ・アールジャパン

多くの銘柄がテーマ性を含有しています。

背景に約2年にも及ぶコロナ禍があり、家電製品の需要盛り上がり半導体価格高騰デジタルシフトの進展などが追い風となった面もあります。

半導体関連は需給正常化とともに株価もスローダウンするかも知れませんが、働き手不足による効率化リモートワークの定着東証市場改革によるガバナンス強化などは、今後も大きな課題となってくるものと思われます。
株価には十分な期待値が乗っている感じもありますが、会社の成長自体は続きそうです。

成長率

テンバガー各銘柄の約5年前からの営業利益成長率をみると以下のようになります。
2017年決算期実績と今年度予想(東洋経済予想)を比較したものです。

  • (6920)レーザーテック 265.2%(2019年6月期比)
  • (6532)ベイカレント 520.9%
  • (3923)ラクス 64.1%
  • (2471)エスプール 225.5%(2018年11月期比)
  • (3697)SHIFT 1357.8%
  • (6254)野村マイクロサイエンス 452.7%
  • (6564)ミダックHD 323.7%
  • (6095)メドピア 2,948.8%
  • (2491)Vコマース 121.0%(2018年12月期比)
  • (6966)三井ハイテック 537.0%
  • (3150)グリムス 338.8%
  • (6035)アイ・アールジャパン 494.6%

必ずしも株価上昇率と増益率が一致するわけではありませんが、総じて高成長を記録しています。
単純平均すると637.5%の増益、飛び抜けて高いSHIFTとメドピアを除くと334.4%の増益となります。

5年前の利益水準がとても低い銘柄もあるので異常値にも見えるくらいのジャンプアップをしています。
例えば、メドピアは2017年9月期は8,200万円と中小企業並みの利益水準であったものが、2022年9月期では25億円の利益が予想されるれ別に達しています。
売上高も当時15億円程度が105億円まで伸び、まさに桁が変わる成長を示しています。
メドピアでいえばオンライン診療の拡大など、世の中の変化を捉えた企業は大化けしますね。

収益性

収益性指標として現在のROE(株主資本利益率)をみると、下記のようになります。
株主のお金を使っていくら(何%)利益を稼いだかという指標です。
(今期日経予想利益ベースでの値です)

  • (6920)レーザーテック 38.1%
  • (6532)ベイカレント 33.7%
  • (3923)ラクス 11.2%
  • (2471)エスプール 32.9%
  • (3697)SHIFT 16.5%
  • (6254)野村マイクロサイエンス 21.4%
  • (6564)ミダックHD 19.5%
  • (6095)メドピア 26.4%
  • (2491)Vコマース 20.9%(2018年12月期比)
  • (6966)三井ハイテック 18.0%
  • (3150)グリムス 28.7%
  • (6035)アイ・アールジャパン 57.7%

ROEも非常に高い数値です。平均すると27.1%となります。
ROE8%がひとつのハードルとされていますので、これを遥かに上回る高収益性です。
やはり勢いよく儲かっている会社という感じですね。
利益の急速な伸びが止まった時にどのくらいの水準に落ち着くのでしょうか。

ROEについて理解したい場合は下記参照してください>>>
ROE(株主資本利益率)とは。バフェットも重視する株主孝行指標の真意
ROEの問題点。三要素に分解してROEの質を確認。

2021年テンバガー銘柄の約5年前の姿

2021年12月時点の姿

こちらがテンバガー銘柄の2021年末現在の状況です。

株価上昇により、時価総額は主力銘柄クラスに拡大しています。
レーザーテックに至っては、半導体関連が動く時には必ずといっていいほど注目を集めていますね。
もっとも時価総額の小さい野村マイクロサイエンスでさえ500億円と中小型株としては堂々たる規模です。

株価への期待の織り込み度合いを示すPER(株価収益率)もかなりホットな水準感にあります。
12銘柄平均で112.3倍、飛び抜けてぶっとんでいるレーザーテック、ラクス、SHIFTを除いても46.9倍とかなりの水準にあります。
東証一部平均が15.3倍(2021年12月24日日経新聞掲載値)なので、見上げた位置にあるわけです。

それだけの成長期待ががっつり乗った株価です。

Quick、東洋経済のデータよりアセットインフォリード作成

約5年前(2017年決算期)時点の姿

一方で現在のテンバガー銘柄の約5年前(2017年決算期)の姿が下記です。
(レーザーテックは2019/6期、エスプールは2018/11期、Vコマースは2018/12期)

一番時価総額の大きかったレーザーテックで500億円、一番小さかった野村マイクロサイエンスに至っては32億円だったのです。
この時点では、マイクロキャップに目を向けていなければ気付きようがないです。
PERをみても低位に留まっています。12銘柄平均で18.2倍SHIFTを除くと11.8倍です。
おそらく日々出来高も細くて、とても活発には売買しようという銘柄ではなかったことが想像できます。

5年前といえど現在と世の中の動向は結構違いますし、コロナなんて想像しようもなかったですね。
働き方改革という言葉が市民権を得てきた頃だったような。

この時に帰れたとしても、とても買えていないと思います。
どこかの時点で、中長期的な成長、株価上昇トレンドにあっても更なる伸びしろがあることに気づいていれば10倍と言わずとも結構な利が取れていますね。
今の相場でいうと同じようなステージにあるのはどの銘柄でしょうか。

Quick、東洋経済のデータよりアセットインフォリード作成

株式投資上達法が一つにまとまった記事>>>
株式投資の勉強はこれを繰り返せ。難しい方法論より基本のサイクル化

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