株を売るタイミング。利食い・損切りの判断ポイント

株式投資

株式投資で難しいのが「売り」のタイミングです。

銘柄選定、買いのプロセスももちろん難しいのですが、「売り」となると感情が揺れて、より悩みやすくなります。

初心者ほど「もっと儲かるはず」、「損したらどうしよう」という気持ちの間で身動きが取れなくなります。
株の売却においては指針を持っていないと中々判断できるものではありません。

利食い、損切り、それぞの局面で判断するポイントを解説します。

買う時のポイントはこちら>>>
株の買い時。覚えておく必須の投資タイミング

利益確定のタイミング

8%がひとつの目安

一定程度の利益も目安になります。

株式ポートフォリオの期待リターンとして8%程度がひとつ目線になります。
もちろん利益も損失も積み重ねて、8%ということですが通年で収益率8%を目指すとして、1銘柄当たりでもここを目安にするといいでしょう。

たった8%と思うかもしれませんが、預金や債券と比べると夢のような数字です。
何年も積み重なると凄い額になります。
また、サクッと買った1銘柄で大きなリターンが狙えるほど甘くありませんし、運任せではいけません。

直近高値を超えなければ売り

直近高値を超えられなければ、短中期的には一旦株価は戻ってしまうケースが多いです。

直近高値で買っている人からすると、一旦下がってからようやく戻ってきたところです。
さらに上を見ていない場合はここで売りが出てきます。
この売りをこなすだけのパワーがないと株価は上には抜けてきません。
頭を押さえられて、もう一度下げて、出直しというパターンが多いです。

直近高値を抜けないようであれば、利益確定タイミングになります。

200日移動平均線を超えなければ売り

200日移動平均線はチャート上で一番大切なポイントです。
約1年間の(移動)平均売買価格を示しています。

200日移動平均線上に多くの投資家の保有玉が乗っかっていると想定されます。
株価が下から200日移動平均線に接近した場合、ヤレヤレの売りとの戦いになります。

ここを超えることができれば、アップサイドを見に行く展望が開けてきますが、
超えられなければ再び地上戦へ・・となるので200日線付近での攻防により売却を判断します。

決算発表・権利付などのポイントを決める

四半期に一度、ファンダメンタルズ的な確認がしっかりできるのが決算発表。
想定している業績で推移しているかを確認しましょう。
足許業績や見通しが悪ければ、売りと判断してもいいでしょう。
参考>>>コンセンサスとは?株式市場の目線!意味と使いかた

また、配当利回りの高い銘柄の場合、権利付最終日を跨いで配当(の権利)を取った段階で売りも判断のポイントです。

利食い千人力

売った後に株価が上がると悔しい思いもするでしょう。
しかし、売り逃して益がなくなるよりもよほどいいです。
「頭と尻尾はくれてやれ」の精神が大切。素直に利食えたことを喜ぶべきです。

貴重な相場格言である「利食い千人力」を覚えておいてください。
利食いは「千人の力を得るに等しい」。損切りは躊躇、利食いは欲望です。感情が判断の邪魔をしていることも忘れずに。

「利食い千人力」

利食い千人力は、投資において、含み益に喜んでさらに利益を追い続けるのではなく、適度に利益を確定させるのが賢明であることをいいます。

有名な相場格言の一つで、利食い(利益確定)は「千人の力を得るのに等しい」という意味であり、いかに投資で利食いが大切であるかを説いたものとなっています。実際のところ、含み益は、相場の動向次第ですぐに吹き飛んでしまうので、含み益がある時に迷ったら利食いをした方がよいでしょう。

一般に利食いは、損切りと同様、感情が判断の邪魔をし、損切りが躊躇なのに対して、利食いは欲望です。また、人は欲望ゆえに失敗することが多いため、利食いを確実に行うには、指値注文の設定など機械的に行う仕組みを導入するのも一つのやり方です(利食いの機会を逃して含み損を抱えるとダメージは大きい)。

なお、利食い千人力の効用として、利食いをすることで現金が増え、新たな投資機会に柔軟に対応することができ、さらに精神的なゆとりを持つことができます。

iFinace https://www.ifinance.ne.jp/glossary/stock/sto321.html より引用

損切りのタイミング

直近安値を割り込んだら売り

直近安値を割り込んだ場合、ずるずると下げるケースがよくあります。
とくに揉み合うことなく、簡単に下げてしまった場合はマーケットからの評価がよくありません。

そこまで下げても割安感的な妙味が薄いと思われているので、下げ止まる気配に乏しいです。
直近安値を守れるかをひとる目線においてください。

200日移動平均線を割り込んだら売り

200日移動平均線は最重要ポイントです。

200日線上で踏みとどまった場合は、切り返しの望みが持てますが、大きな節目ですから割り込んだ場合に株価は潜ることも少なくありません。

買いの際にも200日線ワンタッチをポイントにしていますし、株価トレンド上の重要ポイントです。

重大な悪材料発現時は売却

株価に到底織り込んでいないようなサプライズ的な悪材料は売りです。

ある程度のものであれば、狼狽せずに様子を見たほうがいい場合もありますが、
粉飾決算、不正取引などが出てきた場合、その会社は闇に沈む可能性もあります。

大きな不祥事の裏には、ガバナンス体制の悪化など根源的な病巣が潜んでいることも少なくありません。こうした銘柄になってしまえば、機関投資家もガイドラインで投資禁止になったりして資金流入が一気に細ります。

危険なほどの悪材料は売りです。

決算発表など見極めのポイントを決める

四半期ごとの決算発表はしっかりと確認しましょう。
思ったような業績回復が見られないようであれば、株価ドライバーとして乏しいです。
また、好業績でもマーケット想定に届かないか、それ並みであれば、アップ再度は望みにくいです。

機械的に損切りラインを設定する

損切りは精神的にきます。
ゆえに利食い以上に決断が鈍ります。
根拠なく放っておけばそのうり戻るだろうと思って現実逃避する人も数知れず。
だけど損切りできないとポートフォリオの癌になりますから。

始めのうちは、機械的に10%、20%下げたら売りとマイルールを設定してするのもいいでしょう。

損切りの踏ん切りがつかない時は

利益が出ている銘柄と合わせて売却

複数銘柄を持っていれば、含み益の銘柄もあるかと思います。
その利食いと併せて損切りして、トータルで損益を確定させるのもいいと思います。

個別銘柄の見通しにもよりますが、精神的に損切りの痛みに耐えられないようであれば、複数銘柄トータルで考えるのもいいでしょう。

もっとも株式投資に際しては、単一銘柄ではなくポートフォリオを組むことをお勧めします。
卵はひとつの籠に盛るなです。

損益通算を活用して年末までに売る

損切りをした場合、損益通算によって税務上のメリットがあります。

他の銘柄で確定している利益と損切り分の損失を相殺することができます。
税金は暦年単位になるので、年末までに売却する必要があります。

他で利益が出ている年であれば、節税の観点からも売却しやすいと思います。

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