銘柄選定こそ株式投資の肝です。
それだけに、どんなプロであっても必ず迷むものです。
個人投資家であれば、そもそもどうやって銘柄を探せばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
銘柄探しの方法は、いたるところで紹介されていますが、奇をてらったもの、簡略化しすぎたものも多いです。
あらゆるものに基本が存在するように、株式投資にも型があります。
楽してすぐ成功するという方法はありませんが、取り組めば誰でもできるようになります。
しっかりと王道の方法を身につけることが株式投資上達への早道です。
- どうやって銘柄を探せばいいか分からない人
- 銘柄探しのやり方が定まっていない人
- 思いつきで銘柄を決めている人
- 基本を知りたい投資初心者
- 基本に立ち返りたいベテラン投資家
目次
銘柄探しの方法
スクリーニング
数多くの銘柄の中から、条件を複数指定してリストアップする方法です。
例えば、時価総額1,000億円以上で好業績が期待できる銘柄を探したい場合は、
時価総額下限1,000億円、増益率20%以上という具合に、条件を指定します。
さらにその中から割安な銘柄をピックしたい場合は、PER15倍以下などの条件を追加します。
条件を厳しくしたり、項目数を増やすほどにリストに上がる銘柄が少なくなります。
しっくりくるまで条件変更を繰り返して、最終的に5~10銘柄以内程度まで絞れたらスクリーニングは完了です。慣れてきたらもう少し銘柄数を残しても構いません。
そこから、各銘柄を個別に調べて最終投資決定を行います。
狙いに合わせて条件を変えていきます。
繰り返すほどに、自分ならではの切り口が出てきます。
数多くの銘柄の中から、効率よく候補銘柄を探すプロの投資家もよく使う方法です。
スクリーニングをやるためのツールは無料サイトでも「トレーダーズウェブ」などで利用可能です。
また、会社四季報のCD-ROM版を購入してスクリーニングに活用することもできます。
四季報データが丸々手に入りますし一石二鳥です。
こちらは2021年7月時点での最新2021年夏号です。当然最新のものが望ましいです。
テーマ株
世の中が目指す大きな方向、時流に沿ったテーマから銘柄を導き出す方法です。
グローバルな指針や国策など、大きな将来像実現に貢献し、それが収益向上のビッグチャンスになる銘柄群をピックします。
テーマの例としては、
- 脱炭素社会の実現
- 5Gまたは6G
- AI(人工知能)
- CASE
- リモートワーク
などなどが、あります。これらに関連する銘柄をリストアップし、その中から投資対象を決定します。
この方法の注意点として、既に期待が株価に織り込まれていないかに気をつける必要があります。
ビッグテーマであるほど、皆が注目、期待しますから株価上昇も早いです。
ストーリー性があって面白いので、ワクワクして、ついついテーマや銘柄に惚れてしまいそうになりますが、冷静な目で見極めましょう。
株式投資は、皆が美人だと思う銘柄に一足先に投票するゲームです。惚れすぎると目が曇ります。
テーマ株を探すには、各業界について検索したりして地道にリストアップ・・・がいいと思いますが、本業でもないと骨が折れる。無料サイト「アセットアライブ株式情報」などを見るといいでしょう。
また、各業界についてざっくり知っていると作業が早く、株式投資全般に役立ちます。
業界地図を1冊持っておくと便利です。市場関係者も若手の頃に1冊買っている人も多いです。
四季報読み込み
会社四季報を読み込んで、銘柄を探す方法です。
結構大変ですが、特に中小型株発掘において非常に有効です。
四季報は速報性はありませんが、各銘柄の基本情報、直近のトピック、少し先の業績の方向感まで綺麗に網羅されています。
上記のスクリーニングや、テーマからのサーチでは出てこなかった隠れ有望銘柄が見つかることもしばしば。
できる範囲でチャレンジしてみるといいでしょう。
四季報の活用法は、こちらの記事「会社四季報からの銘柄探しのやり方。四季報活用術を完全ガイド」
をご参照ください。
読み込みをやるやらないに関わらず、四季報は最新号を買い続けるべきですが、少なくともある程度新しいものを1冊は持っておきましょう。下記リンクは、2021年7月時点の最新、2021年夏号です。
銘柄リストをつくってマークする
自分の得意な銘柄、気になる銘柄を常に追いかけていく方法です。
狙い銘柄リストをつくって、株価動向、業績動向、ニュースなどをずっと追いかけていきます。
毎日見ていると、銘柄のことを覚えてきますし、株価のクセも分かってきます。
自分が当てやすい銘柄やこの相場ではこれを買うというのをマークしておきます。
ベテラン投資家は、結構「俺の銘柄」を持っている人がいますね。
少しづつ、「俺の銘柄リスト」を充実させていきましょう。
また、銘柄の性質が変わったときはリストを更新することも忘れずに。
(業績成長の頭打ち、経営方針転換や他分野への進出など、会社は度々に変化します。)
参考に、「株式市場が暴落した日に買うべき銘柄」をリストアップした記事を紹介します。
少し古いので現在時点ではそぐわないものあるので、その点はご容赦ください。
「株価暴落時に買うべき銘柄の特徴。狙い目株をバーゲンハントせよ」
アナリストレポートを参考にする
アナリストレポートを参考に銘柄を探す方法です。
銘柄ごとにまとまっているので、効率がいいです。
証券会社によっては、個人投資家にもレポートを公開している会社もあるので、活用するといいでしょう。数多くの銘柄に触れて知識量を増やしていくことで、着実にレベルアップできます。
但し、アナリストレポートはあくまで担当アナリストの見解が書かれたものであり、いたずらに鵜呑みにしないこと。事実と意見を区別しながら注意して読んでください。
また、大型銘柄であるほど皆が読んでいることも忘れないようにしましょう。
どんなに有望銘柄であっても、買い上げられた後でのこのこ買い出動するのは危険です。
誰でも無料で読めるアナリストレポートもあります。
「証券リサーチセンター」のレポートなどです。
色んなレポートを読んで、目を肥やしていきましょう。
やってはいけない銘柄選定
危険な銘柄選定方法に警鐘を鳴らしておきます。
個人投資家でよくある事例を紹介します。
自分に当てはまると思ったら気を付けてくださいね。
知っている会社を取り敢えず買う
「有名な会社だし、潰れることもないだろうから買おう」
このセリフとともに、安易に買ってしまう人。意外と多いです。
よくあるパターンを列挙すると
- 大手企業で皆知っているから買う
- ○○社の製品が好きだから買う
- 地元企業だから買う
- 息子が勤めている企業だから買う
これだと資産運用になってないです。最悪、高格付債券を満期保有するつもりならこれでもアリです。
株式投資は、業績、株価の方向、あるいは配当までを予想を立ててやっていくものです。
ちなみに「企業を応援する」という半分寄付感覚の人にもたまに遭遇しますが、(増資時等を除いて)株を買っても企業には1銭も入りませんし、余程の金額でないと株価下支えにもなりません。
いい会社だから買う
「優良銘柄に投資したい」という方、ここまではOKです。
ただ、もう一つ視点が欠けています。
その株価は高いですか、安いですか?
いい銘柄でも成長を織り込んで、それなりの株価が形成されていれば、そこからの上昇余地は限られるでしょう。株価は、マーケットの期待とのギャップで動きます。
もう一歩踏み込んで考える意識を持ってみましょう。
人気銘柄だから・皆が買っているから買う
ブルーチップ銘柄やテーマ株など、人気化した銘柄は注目を集めます。
証券会社も手数料を稼ごうと推奨します。
これも「いい会社だから買う」と似ていますね。
株価が見合うかどうかに意識をおかないといけません。
また、株式投資は、人と違う行動が行動が取れる人がより向いています。
「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言もあるように、大衆に流されないマインドも大切です。
日頃から株や会社に意識を持とう
株の銘柄探しは、なにも机の上での作業に限ったことではありません。
頭の片隅に、株の意識を持っておくと日常生活のあらゆるものがヒントになります。
近所のスーパーの棚を見ても、あらゆる上場企業の製品が並んでいますし、飲食店も上場企業が経営していたりします。
自身の仕事や趣味と関連する会社を思い浮かべてみるものいいでしょう。
身近でよく知っているものは研究もしやすいです。
ヒントはどこに転がっているかわからないものです。
株式投資をやると世の中がちょっと面白く見える。なかなか悪くない副産物です。
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